せっかくなので第二弾

息抜きと称してよく分からない殴り書きをしてしまうのはいつものこと。

以前書いた、クトゥルフ神話TRPGにて探索者仲間の、秋竹さんと有馬くん。
(以前のは【これ】ですね。)

ツイッターで色々お話していたら、なんだか面白い関係図になってきたので、ちょっと書いてみました。
すごいこの二人、空気がまったりしている……。
どちらも大人数の場では騒がしめな気がするんですけどねw

銀ちゃん、キャラをお借りさせていただいております。ありがとうございます。
(事後報告)



******

 有馬秀の友人、秋竹有人は、こう言うと年上の相手に不躾かもしれないが――しかし率直に評価するなら、危なっかしい人だった。
 まず身長が190もある彼なのに、体重は秀と同じだ。173センチで60キロの秀でさえ時に「ペライ」と言われるくらいだというのに、彼はその上をいく。名は体を表すのかもしれない。竹だけに。
 そんな彼の食生活のメインはレタスだという。そればかり食べているからあんなに細々としているのだろう。しかし何故あえてのレタスなのか。シャキシャキ感だろうか、瑞々しさだろうか。秀にはよく分からない。
 その話を聞いたとき、曲がりなりにも医者として、秀は「やべぇ」と思ったのだった。
 この人いつかぽっくり死にそう、などと失礼なことも同時に考えた。栄養失調をなめてはいけない。栄養が足りなければ色々な免疫が落ち身体の機能に障害も出る。
 「自炊してもお金かかるしねー」などと言ってヘラヘラ笑う彼――貧乏なわけでもないだろうに――に、秀は思わず提案した。

「作りましょっか? ご飯」
「え?」


*****


「秋竹さん、ちわーっす」
「有馬くん、いらっしゃーい」

 どっさりと袋を玄関に置き、秀は息をついた。
 普段とは違った筋肉を使った気がする。
 ――暴れた患者を取り押さえるよりは格段に楽なのだが。

「ふー! うっかり買いすぎちゃったっす。あ、お菓子も買ってきたんで! 後で一緒に食べましょ」
「何だか悪いねえ。ありがとー」
「いえいえー。まあ好き勝手やらせてもらってるだけですから」

 あははと笑って早速冷蔵庫に食材を詰めていく。
 決して多い頻度ではないが、秀は度々こうして秋竹の家に寄り料理を振る舞うことになった。
 元々世話を焼くことは苦ではない。
 自分でも不思議なやる気に満ちていると思う。

「それにしても相変わらずすごい本の量っすねぇ……」
「まあね。今日もまた買っちゃったよ」
「マジすか。どんな本?」
「ムー大陸の古の……」
「オカルト関係!」
「そりゃね」

 あっさりと頷かれ、秀は苦笑する。
 そもそも彼の仕事が仕事だ。さらには趣味も兼ねているというのだから、確かに自然の流れではあるのだが。

「シリーズ物だけど面白いよ! 有馬くんも読む?」
「ん、んんー。や、オレはとりあえず料理しちゃうんで。その間読んでていっすよー」
「いいの?」
「はーい」
「あ、じゃあ、これ」
「ぶは。うぃーっす」

 秋竹から手渡されたのは、エプロンだ。馬柄である。料理をする流れで、秋竹がせっかくならばとくれたものだ。馬好きの執念を感じる柄に、秀は笑いを禁じ得ない。
 今日は午後イチで来たため、時間に余裕がある。
 どうせだから煮込み料理にしよう、と秀は作業に取りかかった。とりあえずメインは肉じゃがで。


*****


 大体どんなときでも喋りたくなる秀だが、料理中となると話は別だ。
 共に作業しているならばまだしも、一人で料理をする場合はあまり話す気にはなれなかった。
 ――そもそも換気扇のせいで声を張り上げないと互いに聞き取りづらいから、というのが理由の大半だが。

(お米はセットしたしー、あとは煮込んで待つだけかなー)

 パッパと使ったものを片付けながら今後の算段を立て、秀は一息ついた。
 エプロンを外し、丁寧に畳む。
 ついでに勝手に飲み物を拝借することにした。コップに買ってきた炭酸ジュースを注ぐ。
 それから居間にいるであろう秋竹を探した。

「秋竹さーん。やること大体終わったんですケド……お?」

 見れば、秋竹はこちらに背を向けて座っている。秀の言葉に反応はない。
 距離的に聞こえていないはずがないのに……と秀は秋竹の傍に寄った。
 秋竹は本を読んでいるようだ。先ほど買ったと言っていたものだろうか。
 随分と真剣な様子で、こちらの気配には全く気づいていない。

「秋竹さん?」

 コップを座卓に置き、ヒラヒラと目の前で手を振るが、それにもノーリアクション。
 普段ならそこでどうにも相手の意識を引っ張りたくなるのだが――放置は苦手である――あまりにも珍しいほどの真剣さで、思わず秀は出かけた言葉を飲み込んだ。
 何となくそのまま座り込む。
 座卓に頬杖をつき、様子を窺った。

(……秋竹さんも、こんな顔すんだなぁー……)

 秀はまじまじと眺めて特に意味のない溜息をついた。
 普段の突拍子のない行動をする彼からはあまり想像できない。
 とてもレアなものを見た気がする。何だか別人みたいだ。
 こういう表情を見ると、彼がいつ、何を考えているのか、全く分からなくなる。
 彼はどういう人間なのか――だなんて。

(つい失礼なこと考えちまうんだよな)

 自分でも苦笑し、改めて秋竹の顔を見てみる。
 彼はページをめくる以外、微動だにしない。
 ページをめくる音だけが微かに響く。
 ――秀が喋らなくなっただけで、この部屋の空気は時が止まったかのように静かになってしまう。

(邪魔しちゃ悪いかなぁ……)

 声を掛け、揺するべきか、否か。
 そんなことをぼんやり思う。
 せっかくの休日なので、彼の邪魔をせず、やりたいことを堪能させてやるべきなのかもしれない。
 そういう時間は、きっと必要だ。

(でも……こっち見てほしい……なぁ……)






「有馬くん?」
「ぅはい!? ……はっ!? あれオレ寝てました!?」
「みたいだねー」
「うおお首痛ぇ……」

 いつの間にやら座卓に突っ伏して寝ていたらしい。
 秋竹に揺すり起こされ、秀はぼやっとした頭を慌てて振り払った。
 中途半端な睡眠のせいで思考が混乱している。
 とっさに時計を見れば、睡眠時間は30分にも満たないくらいだろうか。

「大丈夫?」
「あはー……夜勤明けだったんでちょっと眠かったみたいっす」
「布団出そうか?」
「いや、もう大丈夫なんで……あっ、お鍋!」

 唐突に思い出し、慌てて確認する。
 ――多少煮崩れは起きているようだが、大きな問題はないようだ。
 ほうーと安堵の息をつく。良かった。無駄にならなかった。

「いい匂いがするね!」
「あざーす」


*****


 それから雑談や秋竹の本棚を物色したりのんびりと過ごし、夕飯時。

「「いただきます」」

 二人は揃って手を合わせた。

「うん、美味しいよ!」
「ほんとですか? それならいーんすケド。これくらいなら秋竹さんもできそうっすケドねー」
「やる気になれないんだよなぁ」
「まあ分からないでもないですケドー」

 ケラケラと笑い、秀も口に含む。しかし、自分で作ったものというのはどうも上手くできているか分からない。
 不味くはない。はずだけれど。

(……秋竹さん、出されれば何でも食いそうだからなぁ)

 しかも彼は食事のペースが遅い。初めは口に合わないから箸が進まないのだろうかと心配にもなったが、どうやら元からのようだ。
 まあ、今のところ「もういい」とは言われていないので、悪くはないのかもしれない。
 そう結論付け、秀はまた箸を進めた。

「そういや本は読み終わったんです?」
「うん。面白かったよ」
「じゃあ今日の読書タイムは終了っすか?」
「まだあっちの棚のやつがあるね!」
「わお」

 いつかこの部屋の床は抜けるかもしれない。
 そんなことを秀はしみじみと思う。

「今度は太宰くんも呼ばなきゃだね!」
「またストレス溜まってそうですしねー」
「探偵は大変だね」
「ね」

 自分たちの相手をするのもきっと彼――秀たちの共通の友人である―ーにストレスを与えるのだろう。
 それが分かっていて秀は思い切り棚上げした。仕方ない。年下は可愛がりたいのだ。

(それにしても……)

 思えば奇妙な交友関係になったものだ。
 秀のお節介が招いたようなものだが――根本的な解決にならないことは理解している。
 秀だって頻繁に来れるわけではないし、その間、きっと秋竹の生活は変わらないのだろう。
 医者としても友人としても自分のしていることは中途半端だ。
 ――まあ、医者は医者でも、自分の専門は精神科だが。

 そんな詮ないことをつらつらと考えていたら。

「有馬くん」
「はい?」
「ありがとねー」

 のんびりと笑われ、秀は瞬く。

「どういたしましてっすよー」

 ――まあいいか。
 やはりいつもの結論に落ち着き、秀はヘラリと笑い返した。


******


山も落ちもありませんけれども。つれづれと。
いやしかし本当に山なし落ちなしだな?!(読み返して自分でびびる)

銀ちゃんとは色々お話させていただいているんですけど、この二人の距離感は私自身「???」ってなりますw
二人とも厄介そうな。
まあでも、のんびりまったりワイワイ楽しんでいるようなのでそれは良いことかなww

ちなみに有馬くん自身が自分の生活を疎かにしがちなので、この話を凛花ちゃんにしたら、凛花ちゃんはキレると思います←

「秀さん……? 他人の振り見て我が振り直せって知ってます……? 叩き込んであげましょうか? ねえ?」
「えっ何ソレ怖いwww」

なんてワイワイ(?)やってることでしょうw
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