見つけてあげられた

どうもこんばんは。
テンションの浮き沈みが激しいあずさです。
もう少し落ち着いた大人の雰囲気というものを出したいものですね。

今日も今日とてまったりお題消化でございます。



お題:きみがため

き 切りとった秘密
み 見つけてあげられた
が がまん、しないで下さい
た たくさんの最後
め 珍しいこともあるものだ


お題配布サイト:Kiss To Cry


本文は追記から。



*****


 口裂け女ことサッキーの一日は忙しい。
 といっても、普段はお馴染みの場所に佇み自撮り写真をツブヤイッターに載せていくばかりである。
 その内容は多岐にわたるようでいて、案外そうでもない。
 美味しそうなものや近くを撮った可愛いペットなどを混ぜ込みながら自分の写真を上げるのが主となる。

呟き
「今日はさくらフレバーのココアカプチーノ! さくら色のチップが可愛い~☆ 味も期待以上ですっ♪ もう一本飲みたくなっちゃう(笑)」

コメント
「新作美味しそう~! サッキー顔ちっちゃい!」
「サッキーちゃんには桜も似合うね♪ かわいい!」

 サッキーの呟きにコメントが続々と寄せられてくる。
 それらを一つ一つ見るのはサッキーの楽しみだ。
 自分に自信がなくて、半ばヤケクソながらも投稿を始めたサッキーだが、思った以上の反響に今日まで支えられてきた。

 しかし、所詮は匿名のネット上のやりとり。
 優しい反応ばかりではなく――。

コメント
「小顔に見せようとしてんの必死すぎ(笑)写真も加工激しくて見るのしんどい(笑)」
「サッキーさんの呟き、毎度猫かぶりがきついですわ~」

「……っ!?」

 サァァと血の気が引いていく。
 たまに悪意的なコメントが送られてくることは、今までもあった。そのたびにサッキーはナイフを突きつけられたような気持ちになる。慣れることはない。あまりにも悲しくて、その気持ちをコメントして炎上したこともあった。それ以来できるだけ無視するように心がけてはいるのだが。

(うう、落ち着いて……落ち着くのよ私……!)

 すーはー、すーはー、と深呼吸。
 ――こんなコメントが来るくらいなら、もうやめてしまえばいいのにと自分でも思うときがある。
 それでも、サッキーは、やめられない。
 自分を認めてくれる誰かがいるから。ここにしか拠り所がないから――。

「サッキーさん!」
「……え……?」

 ふいに声を掛けられ、サッキーは反射的に顔を上げた。
 浮かびかけていた涙を慌てて拭う。
 声がした方へ顔を向けると――そこには、一人の少女がいた。
 その後ろからは青年も走ってくる。

「凛花ちゃん……?」
「サッキーさん、大丈夫ですか?」
「えっと……」

 何故彼女がここに。
 ポカンとした面持ちで立ち尽くすサッキーに、少女――咲坂凛花は眉を下げて覗き込んできた。

「秀さんとたまたま近くにいて。そうしたらサッキーさんの呟きにひどいコメントが見えたから……」
「あ……」
「ちょ、凛花ちゃん速ぇぇぇ……一瞬で見えなくなるとかビビるっしょマジで」
「秀さん遅いですよ!」
「シュウくん」

 遅れてやって来た青年――有馬秀が、息を整えながらこちらを見てくる。
 反射的にサッキーは一歩だけ身を引いた。
 ――男性には免疫がないのだ。

「サッキーさん」
「は、はいっ」
「オレらにも教えてくださいよ。ココアカプチーノ」
「え?」
「ほんとに美味しそうでしたし。ねっ?」
「……」

 へらりとした笑みに、肩の力が抜けてくる。
 サッキーはコクンと一つ頷いた。

「秀さん! 今はそんな話じゃ」
「凛花ちゃんは暴走しすぎだっての。コメントで反論しようとしてたしさぁ。それ逆効果だかんな?」
「だってひどいじゃないですか! あんなのただの中傷ですよ!」
「そうかもだケド。凛花ちゃんのコメントで荒れたら、困るのはサッキーさんでしょ。ほら、どうどう、甘いもの飲みに行くんだから落ち着こうなー」
「うぐぐ」

 何やらじゃれ合いみたいになっている二人だ。この二人はサッキーから見ても関係がよく分からない。ただ――羨ましいとは思う。

「よっし、じゃあここはお兄さんの奢りにしちゃいますかね!」
「えっ。いいんですか?」
「バイト代入ったしモーマンタイ。サッキーさんも今度は違うの飲みます?」
「え? わ、私も? そんな、悪くないかな……」
「いーんすよ。サッキーさんだって頑張ってんだし。ご褒美!」

 ケラケラと笑った秀が、軽く頭を撫でてくる。
 手当の力を持つからだろうか――不思議と、サッキーの心まで軽くなった気がした。
 だというのに、いや、だからだろうか。また泣きそうだ。
 ――ずるい人たち。

 クスクスと込み上げる笑いを隠しもせず、サッキーはワイフォンをコートの中にしまい込んだ。

「ありがとう、二人共」

 泣きそうなときにも、心配してくれる友人ができた。
 そんな自分に確かにご褒美をあげてもいいのかもしれない。
 一つついた小さな自信に、サッキーは精一杯に微笑んだ。

見つけてあげられた
(わたしの、大切なお友達)


*****


ちょっと苦しいかなぁとか。
見つけてあげられた、っていうのは、どちらかというと凛花ちゃんたちの気持ちかもしれません。
傷ついているであろう友人を、見つけてあげられた?
うーん、難しいですね!
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妖怪ネットワークの続き発見!

やっほー
お元気?様子見に来ました

うわーん!鈴木さん!!
お久しぶりです!
こんな僻地にまでわざわざ……ありがとうございます。
お話、練り練りはしているのですがなかなか形にならず、そうしている間にすっかり顔を出しにくくなりご無沙汰しておりました。
リアル面でも大分やられていて周囲に心配をかけまくっている日々です( ´∀`;)
皆さんもお忙しいでしょうに、創作も熱心に続けておられて、本当に尊敬と自己嫌悪の反復幅跳びです。
うう、でも、決して辞めたわけではないので……また構っていただけるととても嬉しいです……。
こんなわたくしめですがよろしくお願いしますぅぅぅぅ!

あずささんが元気そうでなにより
安心いたしました

人生山あり谷あり
無理をせず自分のペースで良いと思いますよー

私も最近はピキーン!が来ないので
いいじゃねーか、降りてくるまで気楽に行こうやー状態です

私も構ってちゃんなので
気が向いたらまた構って下さいねー

待ってるわよ( ・`ω・´)

ありがたきお言葉です……!

毎度毎度、自分で山谷作っては墜落して凹んでいる気がします(´・ω・`)
もう少し肩の力を抜けたらいいのかなぁぁぁ、と力みながら考える日々……笑
とはいえ逆効果なのも身に染みて分かっていたりもしますしね。
うむうむ、どうにか折り合いをつけたいところです。

構ってちゃんっぷりなら負けませんよ……!
ぜひぜひ、よろしくお願いしますね。
カバディしながら構ってオーラ出しに行きますね!

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プロフィール

あずさ

Author:あずさ
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レベル:29
二つ名:囁(アビス)
あだ名:エゴイスティックスケコマシ
四字熟語:好色生活
(※二つ名メーカー、脳内メーカー等による結果)
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