02 カーテンの隙間

いつもの探索者がホラーに遭遇したら、第二弾。


幻想系, 選択式
怪談のお題
お題配布サイト:霜花落処

*****


 とある夏の日。
 ドナルド・ドゥードゥーと宮田正人は、新しいパンの製作に向けて熱い議論を交わしていた。
 といっても、基本的にドゥードゥーが希望を述べ、宮田が現実的な折り合いを提案し、「さすが宮田さんです」とドゥードゥーが熱く尊敬するのがもっぱらの流れだ。
 夏の気温に負けないほど熱い熱気にドゥードゥーの額にも汗が浮かぶ。
 対して宮田の方はまだ涼しげで、ドゥードゥーはそのことにも「さすがだ」と内心で拍手を送るのだった。
 と。

 カラン、とドアの開く音がした。
 目を向けると、見慣れた顔ぶれでもある常連――銀木優と、眞山詩麻の姿。
 今日は二人で買い物にでも行っていたのだろうか。少しばかり荷物が多い。

「ドゥードゥーさん、こんにちは」
「お邪魔します」
「おう、いらっしゃい」
「宮田先輩もいたんですか」
「いちゃ悪いですか?」
「そういうわけじゃありませんけど……」

 旧知の仲である宮田と優のやり取りに、詩麻は微笑ましそうに見、ドゥードゥーは邪魔にならない程度に離れておく。

「今日はどうした?」
「せっかくなのでお昼ご飯でも、と。ノリ弁食べたいですっ」
「分かった。せっかくなら宮田さんもどうですか」
「おや、いいんですか?」
「宮田さんですから」
「じゃあ私もタダで」
「いや、優は別だ」
「えっ。贔屓良くないです! そう思いますよねしまちゃん!」
「ええ、まあ……」
「しまちゃん?」
「どうした?」

 優の反応に、どこかぼんやりとした返事の詩麻。
 自分たちが怪訝そうに様子を見ると、彼女は窓の方に目を向けていた。
 ガタ、と宮田が立ち上がる。
 しかしそれに構わず、彼女はゆっくりと窓の方へ歩み寄った。

「……あの、ドゥードゥーさん」
「何だ?」
「この辺のお写真を何枚かよろしいですか?」
「……何のために?」
「いえ。喫茶店の資料をいただきたくて」
「ああ……まあ、それならいいが……」

 パシャリ。
 ドゥードゥーの許可が得られた途端、詩麻は慣れた手つきで写真を納めていく。
 優は突然の行動を不思議がっており、ドゥードゥーと一緒に顔を見合わせていたが――いや、「取材熱心なんてさすがしまちゃんです」と言っている辺り、優は少し盲目的かもしれない。
 宮田に対するドゥードゥーも他人のことなど言えないが。

 そんなことを思っていると、ふいに宮田が詩麻に近づいた。ととと、と何とも素早い動きだった。

「あの」
「? はい」
「もしかしてですけど、あなた、見えるんですか?」
「はい?」
「いえ、私もあなたの行動で気づいたんですけど。カーテンの隙間……」

 ぼそぼそと宮田が言うが――カーテンの隙間?
 ドゥードゥーも視線を向けるが、よく分からない。汚れでもあっただろうか。セバスチャンに掃除してもらわないと。

「見えるんですよね! ね!」
「……さあ、どうでしょう」

 少しだけ、困ったように。
 ふふ、と笑みを綻ばせる詩麻に、宮田は一歩引いた。テーブルに大げさに手をつき、深くうなだれる。

「げ、言及しにくい……!」
「宮田先輩、しまちゃんに変なことしないでください」
「してませんよ!」
「えーと……とりあえずノリ弁、出来たぞ」
「わぁいっ。イタダキマス!」
「宮田さんもどうですか」
「……いただきます」
「私もいただきますね」

 その後も「動いた!?」や「隙間にびっしり……!」や「何ですか誰も見えないんですかちょっと!?」やら宮田が騒ぐたびに優が「宮田先輩、疲れてるんですね」と哀れみの目を向け、詩麻が「迷い込んだだけみたいなんで大丈夫ですよ」とよく分からないことを言っていた。
 ドゥードゥーには訳が分からない。
 こんなにも暑い夏だとこういうこともあるのかもしれない。
 とりあえず帰り際に、宮田にはアイスノンを渡してあげよう、と心に誓うのだった。


*****


割と私の偏見がありますが、

宮田さん:見える。チキン。
優ちゃん:見えない。ポーク:チキン=1:2くらい。
しまちゃん:ちょっと見える。ポーク。

かなぁと??
それにしても宮田先輩とか初めて書いたぜ……いいのかしらこれで……。
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