リプレイ風小説:冬薔薇に捧ぐ④

参加したセッションのなんちゃって小説。続き。

冬薔薇に捧ぐ:、④(これ)

一応追記に放り込んでおきますが、リプレイということで、当然ながらシナリオのネタバレにもなります。
プレイヤーとしてこのシナリオでセッションするんだという方がいましたら、お気を付けください。

あくまでもなんちゃってです。
記録があるわけでもなく、うろ覚えなまま改変等々をふんだんに盛り込んでお送りいたします。


はい、そろそろ終盤です。というか次回がラストです。
本当はセッションではなぞなぞに対してかなりグダグダなんですが(主に私のリアルアイディアが低いため)、さすがに小説ではそのグダグダっぷりを再現するのはやめましたw
ご了承くださいましww



<冬薔薇に捧ぐ④>

 翔太の案内で、一行は中央広場に連れてこられた。一見しただけで青いタイルが敷き詰められているのが分かる。
 またそれぞれ好きに見ていいということだったので、三人はブラブラとその辺を歩き回った。歩いている内に有馬の気分も少しばかり浮上してくる。浮かれる気にはなれないけれど。
 そうやって見て回っていると、ふいに一部分だけ違う素材のタイルを見つけた。何やら他のタイルと比べてキラキラしている。

「んー……?」

 どうやら、そのタイルは開閉できるようだった。どうしたものかと思っていると、気になったのだろう、ドゥードゥーも一緒に覗き込んでくる。
 翔太の位置を確認すると、少し離れたところで宝条院とまた話しているようだった。こちらに意識は向いていない。
 有馬とドゥードゥーは一度目配せし、そっとタイルを開けてみた。
 そこから出てきたのは、青いガラスの小瓶だった。薔薇を模したそれは、素人から見ても芸術的だ。細かな施しにため息が漏れそうになるほどである。職人技もここまでとは。
 中には液体が入っており、ラベルには「BLUE ROSE」と書かれていた。――青い薔薇。
 蓋を開けると、ふんわりとした甘い香りが鼻腔をくすぐる。まるで薔薇の香りのようだが――どうやら、医療薬品のようだった。人間用だ。当たり前かもしれないが。

「薬、っすかね」
「薬? 何のための」
「さあ、そこまでは……」
「お兄さんたち、どうしたの?」
「うわっ」
「うおっ」

 いつの間にかやって来た翔太に覗き込まれ、二人は驚きの余り肩を跳ねさせた。有馬はとっさに薬を鞄に突っ込む。

「いや、キレーなトコだなぁって!」
「そう? へへ、ありがとう」
「ここは見るところ、もうお終いか?」
「そうだね。あとは温室くらいかな」
「じゃあ行こうか!」
「? うん」

 不思議そうにしている翔太に笑って誤魔化す。きょとんとした面持ちで自分たちを見ていた翔太だが、彼はすぐに興味を失ったようで、温室へと足を向けた。
 後からやって来た宝条院も不思議そうにしている。

「なんかあったのか?」
「えーと薬が……まあ、後で話します」
「? おう」




 温室に戻ってくると、保志が何やら作業をしていた。一同は軽く会釈だけし、二階へ上がる。
 二階は展望台のようになっていた。どうやら薔薇園を一望できるらしい。一望できる側には休憩所のようなスペースがある。そのさらに奥には五種類の色の薔薇が花瓶に入れられ、綺麗に飾られていた。

「おー、すげぇ綺麗だな……あああああ!?」
「宝条院さん!?」
「大丈夫か!?」
「お兄さん、大丈夫?」

 何かに足を取られたのか、滑らせたのか。いきなり盛大に転んだ宝条院が花瓶の方に突っ込んだ。勢いがありすぎたのだろう、花瓶は倒れ、薔薇もぐちゃぐちゃだ。

「す、すまねぇ……」
「ビビったっすよ! もー、とりあえずそっち、休憩所座ってください」

 片付けはドゥードゥーと翔太に一旦任せ、宝条院を座らせる。マトモに道具もないので簡単な応急処置しかできないが――そもそもそこまでの大怪我でもないし、問題はないだろう。

「悪いな」
「まー、困ったときはお互い様っすよ。……にしても、薔薇、どうしますかね」

 片付けられていく薔薇を見ながら苦笑する。
 赤、白、黄、ピンク、虹色の五つの薔薇。パッと見たところ、どれも棘がないようだ。また、近くの立て看板には『お好きな薔薇をお持ち帰りください』と書かれている。
 どうしたものか。そういえば、なぞなぞにも五つの薔薇が出てきたような。

「何か欲しい薔薇があるの?」
「え?」
「欲しいものがあるなら、取ってきてあげるけど」
「マジで?」
「うん」

 ありがたい申し出に、一同は考える。なぞなぞには薔薇を挿さなければならないようだったし、そのためには何らかの薔薇が必要だ。

「翔太くん、花言葉って何だっけ?」
「薔薇の? そうだね……」

 ツアーの前に見た朧気な記憶を引っ張り出しながら問いかけると、翔太はニコリと笑って次の花言葉を教えてくれた。

【赤薔薇】
赤薔薇:情熱・熱烈な恋・私を射止めて
赤薔薇の蕾:純潔・純粋と愛らしさ
赤薔薇の葉:無垢の美しさ・あなたの幸福を祈る
緋色の薔薇:灼熱の恋・陰謀
紅色の薔薇:死ぬほど恋焦がれています
濃紅色の薔薇:恥ずかしさ・内気
黒赤色の薔薇:死ぬまで憎みます
帯紅の薔薇:私を射止めて
しおれた赤薔薇:儚い

【白薔薇】
白薔薇:約束を守る・心からの尊敬
白薔薇の蕾:純潔
枯れた白薔薇:生涯を誓う
小輪の白薔薇:恋をするには若すぎる
白薔薇の蕾:少女時代・愛するには若すぎる
折れた白薔薇:純潔を失い死を望む 
一重咲きの白薔薇:素朴・純粋
しおれた白い薔薇:束の間の印象 

【黄色い薔薇】
黄色い薔薇:薄らぐ愛・恋に飽きた・別れよう
中輪の薔薇:あなたには誠意が無い
小輪の薔薇:笑って別れましょう

【ピンクの薔薇】
ピンクの薔薇:上品・気品・恋の誓い
大輪のピンクの薔薇:赤ちゃんができました
ダークピンクの薔薇:感謝

【虹色の薔薇】
虹色の薔薇:無限の可能性

【青薔薇】
青薔薇:神の祝福・奇跡
サントリーブルーローズアプローズ:夢が叶う

【薔薇の部位】
薔薇:愛・恋・美・幸福・乙女
薔薇の葉:希望あり・頑張れ・あなたは希望を持ち得る
薔薇の枝:あなたの不快さが私を悩ませる
薔薇の蕾:恋の告白
薔薇の棘:不幸中の幸い

【その他】
棘のない薔薇:誠意と友情
三つの蕾にひとつの薔薇:あのことは永遠に秘密

「よく覚えてるなぁ~」
「へへ。まあね」
「お二人はこの中だとどの薔薇が好きっすかね」
「白」
「白」
「即答! でもオレもだわ!」

 他の花言葉と比べると、つい、そうなってしまうのは仕方ないだろう。何せピュアッピュアである。男は純真に弱いのだ。恐らく。多分。

「まあ、とりあえず候補としていくつか持ってきてもらうか? オレ白で」
「宝条院さんズリィ!」
「じゃあドゥードゥーはピンクで」
「ああぁぁ次点も取られた! ええー、じゃあ、うーん……えー……赤にすっか……」
「白とピンクと赤だね? 分かった、待ってて」

 なんだかよく分からないノリになってしまったが、翔太が持ってきてくれるというので素直にお言葉に甘えることにする。
 彼が小走りに走っていくのを見送り、三人は深々と息をついた。
 ――さて。

「ここまで来ちゃいましたけど、実際、どうしますかね」
「何とかして帰らないとなぁ」
「一応確認しときたいんだが……新聞にあった翔太ってのは、彼のことなんだよな?」
「何とも言えないっすけど、もしかしたら、とは思いますね」
「ところでさっき何見つけたんだ?」
「あー。青いタイルのとこにこんな薬が……」

 言いながら、タイルを指差し――三人は気づいた。どうやらあの中央広場のタイルは、薔薇の形を作っているようだ。
 それは、まるで。

(青薔薇――)

「この液体、植物には関係なさそうだな」
「宝条院さん、分かるんすか?」
「何となくだけどよ。植物とか、少し詳しい」
「へぇ~。これ、多分薬だと思うんすよね」
「薬……。……新聞記事の翔太くんは、心臓病とかって書いてなかったか」
「「……」」

 ドゥードゥーのポツリとした呟きに、二人は一時、黙り込む。この符号は果たして何なのか。

「まあ……あとはなぞなぞもどうにかしなきゃっすよね」
「なぞなぞにあった【ソレ】って何だろうな」
「あ、そういや、これ」

 ぬぅ、と宝条院がハードカバーの本を取り出す。あまり意識していなかったが、どうやらずっと持っていたらしい。

「怪しいのはこれくらいな気もするけど」
「んー……」

 三人は揃って本を覗き込む。
 鍵のかかったハードカバーの本。表紙には、三本の蕾とひとつの薔薇が描かれたそれ。
 確か相当する花言葉があったはずだ。翔太の言葉を思い出す。
 ――『あのことは永遠に秘密』。

「秘密……」
「なぞなぞの【ソレ】がこの本のことを示してるなら、秘密に対するのは……」
「……『約束を守る』、か?」

 それは、白薔薇の花言葉だったはずだ。
 三人はチラチラと視線を交わした。

「試すか」
「そうだな」
「他にできそうなこと、浮かびませんしね」

 方針が決まったところで、翔太が戻ってくる。手にはそれぞれの薔薇を抱えて。

「はい、お待たせ」
「ありがとな。あとさ、さっきの石版のところに行こうと思うんだけどいいかな?」
「いいよ? なぞなぞが解けたの?」
「うーん、まあ、そんなとこ」

 ヘラリと笑う。自信は全くないのだが、こうなったらあとは勢いである。

「あ、そうだ翔太くん」
「なに?」
「中央広場のタイル、薔薇の形になってるの知ってた?」
「え? ……わ、本当だ」

 言われて見下ろした翔太が、ぱちぱちと瞬く。どうやら嘘ではないようだ。

「気づかなかったなぁ……まるで青薔薇みたいだ」

 その呟きは、ほんの少しだけ寂しそうでもあった。


続く?
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Author:あずさ
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二つ名:囁(アビス)
あだ名:エゴイスティックスケコマシ
四字熟語:好色生活
(※二つ名メーカー、脳内メーカー等による結果)
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