あずさのかんがえる赤降赤と緑高

疲れたからホモが書きたくなりました(経緯


※黒バス
※赤降赤(くっつき済、描写薄)
※緑高(始まってない)
※赤降赤から高尾への告白で勃発するプチ修羅場(?)


……あれ、ホモが書けてない??



*****

 目の前に置かれたほうじ茶から立ち上る湯気が、ガチガチになっていた身体や思考を少しばかり解してくれる。
 いつから、どこから、どうして――そんなことを今更考えてもどうしようもないというのに。それでもオレのちっぽけな脳味噌は、出るはずのない答えを探してぐるぐると迷子になりっ放しだ。

「……落ち着いたか?」

 存外穏やかな声音が頭上から降り注いでくる。だけどその答えすらオレは見つけられなくて。オレはただ、差し出されたほうじ茶の表面をぼんやりと見つめていた。


+++


 青春真っ盛りだった高校三年間を終えて、オレは赤司征十郎、降旗光樹と同居生活――いわゆるルームシェアをすることになった。
 初めはオレたちの交流について驚く奴も多かったけど、そんなの気にするようなオレらじゃない。むしろみんなの反応を面白がったりしたもんだ。そうやって所構わずつるんでいたら、その内周りも慣れたらしい。気づけば三人括りで扱われることもある程度には、オレたちは密な交流関係を築いていた。まあ、同じ学年で、同じポジションで、三年のときはみんな主将だったりして。そんなもんだから良きライバルでもあったし、直接口にしたことはないけれどきっと「親友」ってやつだったんだろう。
 そんな三年間の末、高校卒業と同時に征ちゃんが東京に戻ってきて、しかも大学が案外近いときた。そりゃあ、会うっしょ。遊ぶっしょ。しかも征ちゃんが自立したいとか言い出すじゃん? 征ちゃんの家庭はオレら一般人からすればちょっと特殊なもんだろうけど、だからその自立とやらには複雑なバックボーンもあったのかもしれないけど、そんなの関係ないオレらからすれば、「いいなー」とか「すげー」とかそんなありきたりな反応になるじゃん? それを聞いた征ちゃんが「一緒に住んでみないか」とか言い出すじゃん? ノるじゃん? ノるじゃん。
 それからはあっという間だった。試合運びはオレらの得意分野なわけで、サクサクと親を説得し手続きを済ませ、晴れてオレたちのルームシェア生活が始まった。
 初めてのことばかりだったけど、正直かなり楽しかった。みんな実家暮らしだったから何でもスムーズにいったわけじゃねぇけど。けど男同士だし、そんなに細かいことを気にしないでもお互いにやれること分担しちゃえば生活は回っていくもんだ。最低限のルールは初日に決めて、後は結構ノリと流れで。臨機応変ってやつなのだよ。
 征ちゃんの「おばあちゃんの豆知識か」とツッコみたくなるような雑学に助けられたり、光ちゃんのバイト帰りにたまに買ってくるケーキに癒されたり、あとは、ああ、浮かれてお揃いのマグカップ買ってみたり。女子か。何で風呂場にアヒルのおもちゃが三つもあるんだ。子供か。――なんて、馬鹿なことを笑いながらできるのが、すげー性に合ってたなと思う。
 そんな感じでオレはけっこー新生活に満足してて、ぶっちゃけ女の影なんてなくても全然困らなくて――名誉のために言っておくけど女友達は割と多いんだぞ――そして、それは、二人も同じだと思ってた。
 ……いや、だって、そういう話、全然出てこなかったし。二人とも優良物件だとは思うけど。思ってたけど。でもまあ、オレと同じようなもんで今が楽しいのかなぁ、とか、漠然とそんなことを思ってた。
 思っていた、のに。
 この日は別にバイトも祝い事もなかったんだけど、なぜか光ちゃんがクッキーを買ってきて、しかもちょっと高そうなやつだったことにオレは「あれ?」とこっそり首を傾げた。征ちゃんならしれっと高級菓子を混ぜてくることもあるけど。オレらはやっぱり、親の仕送りにも頼ってるとこがあるから、よっぽど疲れたときか祝い事があるようなときくらいしかこんなもんは用意しないはずなんだけど。

「あのさ、高尾」
「おう」
「和成には、ちゃんと聞いてほしい」

 みんなが珍しく早めの夕食にありつけたその後。
 神妙な顔をした光ちゃんと征ちゃんが、美味しそうなクッキーに一つも手をつけずに、そんなことを言い出して。いよいよ空気はおかしな色を帯び始めていた。
 何だよ。らしくない顔して。
 そう茶化したい気持ちは山々だったのに、なんつーか、オレも空気に飲まれちまってたのかね。なに、って出た声が少し固くて、何だかひどく恥ずかしい気持ちになった。オレらしくもない。

「……実は、その」
「おう」
「……オレたち、ええと……」
「うん」
「……付き合ってるんだ」
「…………ん?」

 耳がおかしくなったんだろうか。それとも頭だろうか。結構先輩たちに頭をどつかれたことも多かったしな。今更だけど不具合が出てもおかしくねえっつーか。困ったな。責任取ってくださいよー、なんて言いに行ったら本当の免許を取った先輩に轢かれちまうだろうか。

「高尾」
「……え、あ、ああ!」
「すまない。本当はもう少し早く言うつもりだったんだ」
「えっと、いつから?」
「先月……」

 ぼそぼそと答える二人は――光ちゃんのみならず征ちゃんまで!――初々しいほどに、照れくささと気恥ずかしさと、いくらかの喜色をまきちらしていて。だけどオレの思考は亀以上の鈍足さで起動できていなくて、ぽかんとしたまま必死に脳内でその亀を蹴り倒していた。遅い。働け。勝手に休むな、休むのはウサギだろうが、お前はもうちょっとゴールを目指せよ、そこだよそこのミドリガメ!
 ようやく動き始めても、いまいち実感が伴わない。付き合うって? どこに? 誰が? 誰と? それってつまり――そういう?
 オレがどんなに現実逃避しようとも、その答えは、目の前の二人が見せつけてくるわけだけど。いつの間に手を繋いでんだお前ら。恋人繋ぎか。そうか。ええと。そうか。

「……高尾?」
「あ、いや、その! 何だよー! 先月って? え、一ヶ月? 水くさいだろもっと早く言ってくれりゃーいいのに!」
「言いたかったんだ。ただ、どう言い出そうかと……」
「それにやっぱり、お前に気持ち悪がられたりしたら怖いなって……勇気が出なくて」
「だけど黙ってることなんてできなかった。和成にだからこそ、嘘はつきたくなかったんだ」
「そっかー。そっか。うんうん」

 ヘラヘラと笑いながら、「何だよー」とか、「オレ、分かんなかったぜ」とか、考えるより先にポンポンと口からは軽い言葉が飛び出していって、正直オレも自分で何を言ってるのか覚えがない。ただ、何か言わなきゃと思って。
 だって、きっとオレが黙ればこの優しい友人たちは不安になる。オレが、笑ってやらなきゃ、嘘をつかないで真摯に向き合ってくれた親友たちに、笑って、それで、それで。

「そっか、はは。そ、っか……」
「和成?」
「……」
「……高尾? ご、ごめんな、急にこんなこと言われてビックリしたよな!」
「……」
「和成。受け入れてくれなんてことは言わない。オレたちが気持ち悪いならルームシェアを解消したっていい。ただ、オレたちは今でも和成のことを大事な友人だと思っている。だから……」

 オレは、そのとき、どんな顔をしていたんだろうか。
 二人が必死にオレに何かを言っているくらいだから、きっとひどい顔をしていたんだろう。自分でも分からない。言わなきゃ、受け入れなきゃ、笑って、安心させてやらなきゃ――頭ではそう思っているはずなのに、オレの口からはいつの間にか音がすっかり消えていた。あれ、何で。どうして。オレ、別に、そんな。

「ご、めん」

 言えよ、何か言えよと必死に念じながら絞り出した言葉は、どうしてだろう、言おうと思っていることとは懸け離れていた。しかも震えてやんの。だせぇ。――ほんとに、だっせぇ。

「ちょっと、悪い。頭、冷やしてくる……」

 そう言って、覚束ない足取りで出ていく直前に見えた二人の表情に、オレは自分を死ぬほど殴りたくなった。だけど痛いのイヤだし、そんな気力もねぇし、ただ、ほんとごめんって頭の中で呟くしかできなかった。



 それから色々あって、オレは緑間真太郎の家でほうじ茶をぼーっと見ているわけだった。
 真ちゃんの家に来るの、久しぶりだな。親御さんたちは出かけてるらしいけど。つーか真ちゃんと会うのもちょっと日にち空いてたよな。やっぱり大学が違ううえに真ちゃんが結構多忙だから、高校のときみたいにはいかないもんだ。それでも当たり前のように交流が続いてること自体は、地味に、でも確かに嬉しいことなんだけど。

「落ち着いたか?」

 真ちゃんが自分もほうじ茶を飲みながらもう一度問いかけてくる。うん、と答えたオレの声はどうにも間抜けで仕方なかった。ああくそ、よりにもよって相棒にこんな情けない姿を見せるはめになるなんて。マジでダサすぎっしょ。

「お前の話からすると、赤司と……降旗、だったか。二人が付き合っていると」
「真ちゃん、直球なうえに剛速球なのな」
「まだるっこしいことを言っても仕方ないのだよ。……だが、なぜお前がそうも落ち込んでいる?」

 事情を聞いた真ちゃんは、征ちゃんという中学からの知り合いの話でもあるのに、思った以上に落ち着いていた。

「……もしかしてお前も赤司か降旗のことが好きだったのか?」
「ちげーよ。何でだよ」
「失恋したならそんなに落ち込んでいるのも分かりやすいと思ったのだよ」
「安直だけど斜め上すぎっしょ。いや、友達としては好きだぜ? だけど別に恋愛的な意味でどうこう考えたことはねーわ」
「なら、友人が同性愛なことにショックを受けたのか?」
「……」

 違う。違うんだよ。そうじゃない。
 オレは緩く首を振ってため息をついた。自分でも上手く処理できないこの感情に焼き切れそうだ。

「ちげーんだよ、ホモだからキメェとかそんなんじゃねーんだよ。別の誰かだったら困惑はするだろうけどきっと応援するわ。でも、何であいつらなわけ? 何で今?」
「……高尾」
「て、いうか。オレ、すげー邪魔者じゃん!? めちゃくちゃ居づらいじゃん!?」
「……それは」
「三人ずっと仲良く一緒じゃなきゃ嫌だなんて女々しいことは言わねーよ!? でもさぁ! ……でも、……あー……いや、やっぱ女々しいかも。わり、何言ってんだかさっぱりだよな」

 あのまま一緒に住もうと言われて、そんなことができるだろうか。気にしないで、自分だけ変わらないでいられるだろうか。
 それとも、だから家から出てくれと二人は言うつもりだったのかもしれない。分かんねえ。あんなに近くにいたはずの二人のことが、今のオレにはこれっぽっちも分かりやしない。

「それに、オレ、全然気づかなくて……バカみてぇじゃん」
「……ああ……」
「ちがう、もしかしたら少しは分かってたかもしれない……でも、……何で」

 真ちゃんが珍しくオレなんかの泣き言を馬鹿にするでもなく聞いてくれるから、オレは自分で止める方法が見つからなかった。グルグルと嫌な思考は止まらない。止められない。

 例えば。こんなにも仲良くなる前なら、二人がどうなろうと、特に何も思わなかったろう。ちょっとした好奇心をくすぐられるだけの、そんな印象しかなかっただろう。
 例えば。一緒に住んでいなければ、時々遊ぶ程度であれば、体のいい相談役くらいになることはできたと思う。ちょっと離れた位置から見守る友人でいられたんじゃないかと思う。
 だけど、――だけど。
 三人で仲良くやれていたと思っていた。このまま変わらないでいられると、きっとどこかで思っていた。だけど、オレたち三人いて、あいつらはお互いを、お互いだけをきっと見ていて。そこにオレの居場所はあるんだろうか、なんて。反吐が出るほど情けなくて身勝手な思いだ。最悪だ。本当に、最悪だ。

「一緒に住むか?」
「え?」

 自己嫌悪の渦で雁字搦めになっていたら、真ちゃんがしごくあっさりとそんな問いを投げかけてきた。一瞬意味が分からなくて、オレはぽかりと口を開けて見返してしまう。

 ――どうせ一人暮らしをするつもりだった。家はこれから探すから二人でも住める場所にすればいい。家事はお前の知っている通り不得手だから面倒をかけるが、家賃はオレの方が少し多くもつのだよ。お前も冷静になるには時間もかかるだろう。オレは家事をしてもらえば助かるからな。お互いに悪い話じゃないはずだ。
 だから、と。つらつらと語り出した真ちゃんは、眼鏡をカチャリと整えて、真っ直ぐにオレを見据えて。

「居づらいならオレと一緒に住めばいいのだよ」

 そう、何てことなく言ってのけた真ちゃんに、オレはただひたすらポカンとした眼差しを向けることしかできなかった。


「……え?」


*****


・親友2人が一気にいなくなっちゃった気がして傷心モードの女々しい高尾さん
・そこにつけ込もうぜ緑間さん
・なんやかんや始まる2人暮らし
・「高尾に甘えてたよな……」「和成には悪いことをした……」と落ち込む赤降赤との仲直りミッション
・くっつく緑高
・赤降赤「高尾/和成を泣かせたら許さないからな」緑間「小姑が二人もできた気分なのだよ……」

で、なんやかんやハッピーエンドになるんじゃないでしょうか(書きませんけど)
スポンサーサイト
Home |  Category:二次or三次創作 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
Tracback

Tracback URL :

Comment

    
Home   Top
 
プロフィール

あずさ

Author:あずさ
武器:シャーペン、ノート、パソコン、ポメラ
レベル:29
二つ名:囁(アビス)
あだ名:エゴイスティックスケコマシ
四字熟語:好色生活
(※二つ名メーカー、脳内メーカー等による結果)
アイコン:朧夜緋雨さまから

最新記事
カテゴリ
呟き、囁き、ぼやきに寝言
最新コメント
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード