20:おやすみ

2014/10/12 Sun 20:08

スマホから投稿ぺい。

<お題一覧>
Type : 1

01:晴れた日に(済)
02:手(済)
03:風の吹く場所(済)
04:白い花(済)
05:綺麗なもの(済)
06:笑顔(済)
07:手を繋いで(済)
08:うた(漢字は自由)(済)
例 : 歌、唄、詩等
09:おひるごはん(済)
10:海
11:同じ空の下
12:安らぐ場所(済)
13:心音
14:手紙
15:風に吹かれて
16:夕焼け(済)
17:昼間の森(済)
18:親友(済)
19:昼寝(済)
20:おやすみ(済)

<お題配布場所>
site name : 追憶の苑
url : http://farfalle.x0.to/
※黒バス
※青峰、高尾、義兄弟パロ


「……兄ちゃん」
「ん?」

 そろそろ寝ようかと思い準備をしていると、ひょっこり部屋を覗き込んでくる顔があった。青峰は身体を反らすようにしてそちらへ視線を向ける。そこには、青峰よりも随分と小さな身体に黒々とした髪と、自分にはおよそ似つかない――血が繋がっていないのだから当たり前だ――義理の弟の姿。お風呂上がりなのだろう、タオルを頭から被っている。

「どうした、高尾」

 呼びかけると、おずおずとしていた表情がいくらか和らぐ。――両親が再婚したため彼、高尾和成は今は青峰和成なのだが、未だ慣れないのだろう。そのため青峰は彼をよく「高尾」と呼ぶし、そうすると彼も幾分安心するようだった。特にこだわりはないので、青峰としてはそれでもいい。

「今日、父さんも母さんもいないじゃん」
「おう」
「だからさ……えーと、その、えっと」
「……?」

 オロオロと視線をさまよわせた和成は、やはりオロオロと拙く言葉を紡ごうと躍起になっている。何だか珍しかった。この弟は結構しっかり者かつちゃっかり者で、青峰はよく両親から冗談混じりに「見習いなさい」などと言われているというのに。

「その、あー、うー」
「高尾」
「う、うぅー」
「高尾。とりあえずこっち来い」

 訳が分からない上に部屋のドアを開けっ放しだと少しばかり冷える。そう思って手招けば、若干ためらった様子の和成はそれでもおずおずと中に入ってきた。ベッドに腰掛けた青峰は足の間に彼を座らせる。水滴がいくらか落ちてきたためわしゃわしゃと乱暴に髪を拭いてやった。

「ふぎゃっ」
「髪はちゃんと乾かせよ。んで? どうした?」
「……んーと」

 慌てていたがしばらくして諦めたのか、小さく息をついた彼は体重を掛けてくる。

「さっきも言ったけど、今日、父さんも母さんもいないじゃん」
「おう」
「だから……兄ちゃん、寂しくねーかなって?」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……ぶっ」
「!?」

 それは。それ、は。

「ぶっ、く、……ふっ、ぶはっ……」
「!? は、ちょ、え? 兄ちゃん? !?」

 突如笑い出した自分に驚いたのだろう、素っ頓狂な声を上げて振り返ってくる――が、タオルを顔面に被せて隠してやった。タオルお化けみたいになった和成が慌てふためいている。それを見てますますおかしさが込み上げる。腹筋がつりそうだ。

(素直じゃねぇええ……!)

 寂しくないかって。それはお前だろう。あんな挙動不審に近づいてきて何を言うかと思えば。
 そうヒィヒィ笑いを堪えながら青峰は浮かんできた涙を拭った。ようやくタオルから顔を出せ息をついている和成の額を小突く。

「いた!?」
「ま、とりあえず。髪乾かしてこいよ。一緒に寝てやっから」



 二人で寝るにはさすがに手狭だが、やろうと思えば何とかなるものらしい。二人でベッドに潜り込み、何とか落ち着く体勢を模索する。落ちたら落ちたでそのときだろう。

「兄ちゃん怖くない?」
「おー」
「寂しくない?」
「おー」

 そわそわと聞いてくるのが少し面白い。ぼんやりと返せば、それでも肯定されて嬉しかったのだろう、和成はヘヘ……と小さく笑った。それを見て思う。もしかしたら彼は本当に自分が寂しがっていないかと思って来たのかもしれない。もしかしたら、それを和らげることで役に立ちたいと思ったのかもしれない。――まあ、青峰にとってはどちらでも構わないのだけれど。どちらにせよ、この弟がどこか意地っ張りで見栄っ張りであることに変わりはない。

(あー……あったけ)

 さすが子供と言うべきか、触れ合う体温が非常にぬくぬくとしている。これは病みつきになりそうだ。見れば、同じく温もりに睡魔がやって来たのだろう、和成もとろとろと瞼が落ちている。無意識にか離れていきそうになったのを改めて抱き寄せ、ふあぁ、と青峰は大きく欠伸を噛みしめた。

「おやすみ」




「って昔はよくベッドに潜り込んできてたのになぁー?」
「あー! あーあーあー! 聞こえないー!」



これはもはや誰なんだというね←
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