09:おひるごはん

iPhoneからの投稿疲れたぁぁぁ
久々のお題消化です。


<お題一覧>
Type : 1

01:晴れた日に(済)
02:手(済)
03:風の吹く場所(済)
04:白い花
05:綺麗なもの(済)
06:笑顔(済)
07:手を繋いで(済)
08:うた(漢字は自由)(済)
例 : 歌、唄、詩等
09:おひるごはん(済)
10:海
11:同じ空の下
12:安らぐ場所(済)
13:心音
14:手紙
15:風に吹かれて
16:夕焼け(済)
17:昼間の森(済)
18:親友(済)
19:昼寝(済)
20:おやすみ

<お題配布場所>
site name : 追憶の苑
url : http://farfalle.x0.to/


※黒バス
※無敵戦隊ポイントガード(三次創作)


「りゅーへー!」
「へー!」

 とある昼下がり。
 無敵戦隊ポイントガードの基地に二つの小さな身体が飛び込んできた。
 まるで双子のように同じ顔を持つ彼らの名はダブルドリブル。無敵戦隊ポイントガードと敵対する存在だ。

「どした? 隆平サンなら買い物行ってっけど」
「かずなり!」
「りゅーへーいないのー?」

 騒々しさを聞きつけ顔を出した高尾和成――無敵戦隊ポイントガード・グリーン――にダブルドリブルが飛びつく。それを受け止め流れるように頭を撫でてやった高尾は後ろを振り返った。

「幸男サン。確かちょっと遠目のスーパー行くって言ってましたよね?」
「そうだな、もうちょい時間かかるんじゃねぇか」
「ガーン」
「ガーンなの……」

 物々しくショックを受けるダブルドリブル。
 「それ以前に敵がホイホイ基地にやって来るってどうなんだ……」とため息をつくのは、先ほど答えた笠松幸男、イエローだ。

「どうしたの、一体」
「なんかあったん?」

 聞きつけた降旗光樹(マリン)と今吉翔一(ブルー)。彼らはマ●カをやっていたらしく少し離れたテレビから「マンマミーア!」と声が聞こえてきた。スコアが何やらおかしなことになっている。

「うお、翔一の奴ゲームでもえげつねえ……真はそこで何してるんだ?」
「生け花を」
「ハッ、生け花を持って行けばなんとかなるキタコレ」
「集中できねえ黙れ」

 と、横でガヤガヤしているのは福井健介(パープル)と花宮真(ピンク)、そして伊月俊(ブラック)。なんやかんやみんなで集まっているのだから仲良しだよなぁと高尾は思う。

「で、結局ダブドリはどうしたー?」
「かずなり! あのねなの」
「おう」
「トラの奴許せないの!」
「のー!」
「うん? ケンカしたのか?」
「ダブルドリブルたちのご飯が食べれないって言うのー!」
「のー!」
「うん……?」

 ――ダブルドリブルの話によると、今朝、ダブルドリブルはちょっとした思いつきから朝食を作ろうとしたらしい。しかしもうすぐ完成というところでトラベリングに見つかり、しこたま怒られたのだという。ダブルドリブルとしてはみんなに喜んでもらいたい、ただそれだけだったというのに。
 それがショックで啖呵を切って飛び出してきたのだと、半ば涙目でダブルドリブルは語った。

「もうトラなんて知らないのー!」
「のー!」
「でも悔しいからりゅーへーに手伝ってもらおうと思ったのー!」
「のー!」
「うーん、そっか、それは悲しかったよなぁ」

 よしよし、と頭を撫でると、ダブルドリブルは気持ち良さそうに目を細めた。可愛い。
 しかしすぐにハッとしたように表情を引き締める。可愛い。

「もうちょっとで完成だったの……」
「これなのー」
「へえー……ぐは!?」
「「!?」」

 突如広がる異臭。
 近くにいた笠松や今吉が思わず勢いよく距離をとる。間近にいた高尾は思わず崩れ落ちたほどだ。慌ててマスクを取り出した降旗が駆け寄ってくる。――あ、やばい目も痛い刺激臭やばい何だこれやばい。

「か、和成! 大丈夫か!?」
「光ちゃっ……ごめ、オレはここまでみたいだ……」
「そんな、諦めるなんてお前らしくないだろ……!」
「オレ、オレ、もっとみんなと一緒にいたかった……」
「和成! ふざけんな、ずっと一緒に決まってるだろ! だからっ……」
「あは……光ちゃん、泣かないで?」
「泣いてなんか……!」
「オレがいなくなっても、光ちゃんには笑っていてほしい、な……」
「和成ぃいぃい! ごめん本当に目痛いやばい涙止まんない」
「うんオレもやばいそろそろ呼吸できな、げほっ、ちょ、待って視界が霞むやばい超やばい」

「お前ら漫才に命張ってんじゃねぇよ」
「ノリがいいのも程々にしときー」

 あわや共倒れか、というところで笠松と今吉が高尾・降旗の両名を無事回収してくれた。ついでにファブリーズをぶっかけられる。ちなみに二人はガスマスクを着用していた。ビビる。いつの間に。そしてどこにあった。

「おい何だこの臭い?」
「テロか!?」
「花のフローラルさがなかったら死ぬところだった……!」

 リビングにいた面子も慌てて飛び出してきた。みんなガスマスクを着用している。だからどうして。
 ようやく落ち着いたところで周りを確認すると、ポカンとしていたダブルドリブルが表情を思い切り曇らせた。プルプルしている。可愛い。

「や、やっぱ駄目なのー……?」
「のー……?」

(……うっ)

 途端に襲い来る罪悪感。しかし、だとしても、これは野放しにできるものではない。安易な行動をとれば死傷者が出る。
 思わず一同が黙り込むと――バァン、とトイレのドアが開かれた。とっさに振り向いた一同の視線の先には、後光の差した――

「案ずることなかれ。一人で駄目なら二人、二人で駄目ならみんなで完璧なご飯を作ってみせようじゃないか!」
「「「征十郎!」」」
「「レッド!」」



「と、いうわけで料理を開始する」
「万一のときはこれを使え。最近の俺のお勧めだ」

 いつの間にか赤司の隣にいた石田英輝(グレー)がそっと置いたものは彼愛用の胃薬だった。わあ。万全といえば聞こえはいいが、どちらかというと縁起でもない。
 ちなみにみんなエプロンは着用済みだ。ダブルドリブルにいたっては割烹着である。子供用のサイズがこれしかなかったのだ――が、むしろなぜ割烹着があったのだろう。謎は尽きない。

「何作るんだ?」
「子供にも簡単なものがいいでしょう。カレイの煮付けとかどうでしょうか」
「いや全然簡単じゃないよな!? 子供が作るようなもんじゃねーよな!?」

 笠松の質問にドヤ顔で答えた赤司に、福井が慌ててツッコむ。しかしダブルドリブルは「できるのー!」「子供扱いしないでほしいのー!」とむしろ乗り気だ。

「やめとけ」
「麻呂眉は黙るのー!」
「眉言うんじゃねえ!」
「麻呂は黙るのー!」
「眉を言わなきゃいいってもんじゃねえわ!」

「無難にカレーでええんとちゃう?」
「ハッ、カレイのカレー!?」
「カレーにカレイ入れるのはちょっと難易度高いです先輩」
「難しいのやるのー!」
「できるのー!」
「ごめんなー。オレたちができないんだ、今度頑張るから今日はオレたちに合わせてくんね?」
「むー……それなら仕方ないのー」
「勘弁してやるのー」

 ……と、いうわけで。
 キラリ、赤司の両目が輝きを放つ。

「ではミッションを開始する! まずは材料を切る! マリン、フラッグで切り刻め!」
「はぇ!?」
「さあダブルドリブル、マリンに材料を投げるんだ!」
「オッケーなのー!」
「ていやーなのー!」
「うわ、ちょ、うわ、ああああ!?」

「切り刻んだ材料の回収! グリーン!」
「ブフォ! ちょ、マジで! 鷹ちゃん、カモーンなのだよ!」

「余った材料は冷凍保存だ! ブラック!」
「チョコレートをちょこっと冷凍! キタコレ!」

「あ、イエローとパープルには鍋など器具の準備を」
「普通! めっちゃ普通!」
「いやその方が嬉しいけどな!?」

「火力を増すぞ! ブルー! 目からビーム!」
「すまん、燃料切れやねん」
「なん、だと……」

「さて煮込んでいる間にテーブルの方も準備しよう。ピンク、花で彩りを!」
「はあ? お前らにやるような花はねぇよ」
「……」
「……」
「……」
「……さっき作ってた生け花置いといてやるからその目やめろほんとやめろ」

 ――そんなこんなであらかたの準備は完了した。色々とツッコミ所は多いが、ツッコミ代表の笠松がお疲れのようで、そうなると誰もストップをかけられない。
 ふう、といい笑顔で汗をぬぐった赤司が息をつく。

「さて、あとは煮込めば完成かな」
「その間どーする? トランプでもする?」
「そういやさっきマ●カやってたな、みんなでやるか」
「今吉サンあれっしょ、●ッシー」
「イマヨッシー」
「イマヨッシー」
「でっていう」
「おん、桜井にやらせるときはピ●キオや」
「ああ謝りキノコ……」
「じゃあ桃井が」
「いやピーチは青峰やな」
「何でだよ!」

 などと、ワイワイ騒いでいたら。
 くい、とダブルドリブルが服を引っ張ってきた。こちらを見つめる瞳は真剣だ。屈み込んでやる。

「どしたー? ダブドリもゲームやるだろ?」
「やるのー。でもカレーはいつできるのー?」
「まだなのー?」
「あー……煮込み料理だからなぁ……10分か20分くらいかかると思うけど」
「長いのー」
「早めるのー」
「え……あ、ちょ」

 さっと身を翻したダブルドリブルがキッチンに向かう。彼らはスチャ、と何やら身の丈に合わないバズーカーのようなものを手にし――えええええええ!?

「点火」
「なのー」

 ちゅどーん!

 ……
 …………

 瞬く間に、惨劇が出来上がった。

「あれ?」
「焦げたのー」

「げほっ、ごほ、うわ、うわぁぁぁ」
「台所がああああ」
「おいダブドリをそっちにどけろ! 消火!」
「ああああ隆平さんの作ったアップルパイが巻き添えにー!」
「げえええ!?」
「おい、ちょ、レッドどうするんだこれ」
「……グレーにダブドリをハグするよう指示していなかったことが敗因だった……」
「いや、そういう問題じゃないと思う」

「……何してるん~?」

 びっくぅっっ
 背後から聞こえた声に、一同は思い切り肩を跳ねさせた。チラリ、とみんなが伊月と高尾を見てくる。二人は即座にブンブンと首を振った。見えなかった。広い視野を持ってしても今まで何の気配も感じなかった。
 恐る恐る、一同は振り返る。そこには買い物かごを下げ、ものすごく表面的な笑顔を浮かべた――春日隆平(リーフ)の姿。

(((でっすよね――!!)))

「何、してるん?」
「あ、いや、その、あの、わ!?」
「でっ」
「あっ」
「ぎゃ!」

 アンクルブレイクも真っ青なテクニックで次々と転ばされ床に倒される。古武術とはこんなにも素早く見えないものだったろうか。ゆらりと仁王立ちでこちらを見下ろしてくる春日の笑顔が――怖い。

「……途中経過をカメラで見てたけど」

(カメラ!? そんなもんあんの!?)

「食べ物を武器で刻んだり動物に運ばせたり」
「「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」」
「雑に冷凍させたり? ニンジンとかジャガイモを凍らせたら不味くなるんよ?」
「す、すいません……!」
「他のみんなも止めなかったね~? 特に三年生は本来止めなきゃいけない立場だよねぃ?」
「「「う」」」

「何か言うことは?」
「「「すいませんでした!!」」」

 土下座だ。全員で一寸の乱れもなく土下座だ。こと食べ物に関して春日に逆らえる者はいない。下手をすると食事抜きという重すぎる罰が待っている。
 はあ、とため息をついた春日は次にダブルドリブルに向き直った。ダブルドリブルは互いにひしと抱き合ったまま震えている。明らかに春日の剣幕に怯えていた。

「ダブルドリブル」
「な、なの」
「なのー……」
「キッチンは神聖な場所なんよ?」
「うう……」
「そんな場所にこんなもの持ち込むなんて~……」

 春日が近づく。手が伸ばされる。絶体絶命。ダブルドリブルがぎゅっと目をつぶり、

「めっ」

「……な、なの?」
「なのー……?」
「反省した?」
「し、したのー!」
「もうやめるのー!」
「よろしい」


「隆平サンまじお母さん……」
「お母さんいつも美味しいご飯をありがとう……」

 こうして。
 突然に舞い降りた惨劇は無事幕を閉じ、キッチンを綺麗に片付けた後、春日の指導のもとみんなでおにぎりを作り、お昼ご飯にしたのだった。


めでたしめでたし
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