18:親友

<お題一覧>
Type : 1

01:晴れた日に(済)
02:手(済)
03:風の吹く場所
04:白い花
05:綺麗なもの(済)
06:笑顔
07:手を繋いで(済)
08:うた(漢字は自由)
例 : 歌、唄、詩等
09:おひるごはん
10:海
11:同じ空の下
12:安らぐ場所
13:心音
14:手紙
15:風に吹かれて
16:夕焼け(済)
17:昼間の森(済)
18:親友(済)
19:昼寝(済)
20:おやすみ

<お題配布場所>
site name : 追憶の苑




※わっか日和
※樹、徹、葵

18:親友


「あっちー」
「暑いのだよ-」
「うるせえ、ますます暑くなんだろ」

 夏休みの真っ昼間。
 コンビニでアイスを買った樹たちは口々にそんなことを言い合いつつ公園の日陰に移動した。休憩だ。いくら元気な自分たちといえども、真夏の暑さには真っ向から立ち向かうのは厳しいのである。風がないと空気の熱だけがじわじわ伝わってきて、本当に暑い。
 ガリガリとシャーベットを噛み砕いている徹の顔はいつものように不機嫌そうだった。そんな顔こそ暑苦しくなりそうだと樹は思い――

「徹の顔の方が暑いってばよ」

 ――葵に先を越された。アイスをちょうど口にくわえていなければ樹の方がぽろっと言っていただろう。

「ほーだほーだ」
「うっせ! おめーの性格の方が暑苦しいっての! あと樹は喋るか食うかどっちかにしろ!」
「そーゆうとーるも垂れてきてるのだよ」
「ぎゃおっ」
「だははっ、徹ダッセェ」
「そっちこそ落ちそうじゃねーか」
「ぎゃああああ危ねええええ!」

 一心にアイスをなめながら樹は騒がしい幼馴染みを眺める。バーカバーカと言い合う二人は何というか楽しそうだ。似た者同士だなぁ、なんて思う。

「……二人は親友ってやつなのデス?」
「「はあ!?」」

 何となく声を上げた樹に、二人が同時に食ってかかってきた。その剣幕にさすがにビクッと肩が跳ねる。びっくりした。

「親友!? はあ!? こいつと!? おまえ暑さで頭おかしくなったんじゃねーの?」
「あっはっは、樹は面白いこと言うなー! 徹と親友とかマジ笑えるなー!」
「なんかムカつく言い方だなゴルァ」
「こっちの台詞だってばよごるぁ」
「巻けてねーよこうだよゴルァ」
「ご、ごるぁぁぁ」
「何で声高くなってんだよ気持ち悪いわ!」
「うっせーな徹の教え方が下手なんだってばよ!」
「お前が不器用なんだろ! ゴルァ」
「ごるぁ」

 何やら訳の分からないやり取りを始めたが、これもいつものことと言えばいつものことだ。基本的にこの三人でいるときはノリとその場のテンションが中心なのだから仕方ない。

「つーか、何だよ急に」
「んー。ほら、最近ドラマやってるじゃんかー。『オレと親友とアミーゴ』」
「あぁ、あの超熱いやつな! どうでもいいけどアミーゴってどういう意味なんだ?」
「あれじゃねーの、友達的な」
「オレと親友と友達? 結局誰が何なんだよそれ?」
「知らん。つーかそれと俺たちに何が関係あるんだよ」
「えー。この前それで、『俺たちは喧嘩ばっかしてるけど心の友だから最強だぜ、でもそんなことお前には言ってやんないんだからな』みたいなこと言ってたのだよ」
「言ってんじゃん」
「ツンデレかよ」

 即座に入るツッコミに樹はむーと頬を膨らませる。樹に言われても、樹もドラマを見ていただけなので答えようがない。ただクラスの女子は「私もあんなこと言われてみたぁい」と頬を染めていたのできっといい台詞なのだろう。その女子は最強になりたいのだろうか。その気持ちは少し樹にも分かるかもしれない。
 ともかく。

「とーるとあお兄も喧嘩ばっかしてるけど、ほら、二人とも強いし」
「まあな!」
「おめーのどこが強いんだよ」
「あお兄は強いよ! あお兄だもん!」
「理由になってねぇよ」

 けっ、と毒づく徹。何だよーと葵と揃って抗議すればうるさそうに耳を塞がれた。失礼な奴である。
 と。

「あ……い・つ・き・さぁーん!」
「? あ、ゴロー」
「「去れ」」
「ぎゃふん!」

 ……。
 突然現れたゴローがこちらに駆けてきたかと思うと、徹と葵が投げたアイスの棒に速攻で撃退された。見事に同時だった。

「ふはは、俺のが先だったな」
「お前視力下がったか? 俺だろ」
「はー!? 徹はその目つきじゃどうせ前も見えてねーだろ!」
「目つき悪いのと視力は関係ねーだろ!」
「はぁぁぁ!?」
「はぁぁぁ!?」

 もうゴローのことは視界から消えているらしい。二人はぎゃあぎゃあ騒ぎながらにらみ合っている。何だかいつもより元気だ。多分暑いからだろう。
 それを見ながらようやくアイスを食べ終えた樹は首を傾げた。

(……やっぱり仲いいと思うんだけどなぁー?)

 それなのにこの二人はそれを認めようとしない。うーん、ともう一度反対方向に首を傾げつつアイスの棒をゴミ箱に向かって投げてみた。綺麗に入って少し嬉しい。ナイッシュー。
 しかし睨み合っている二人は気づいていないようで、せっかくなのに少し悔しい。むう、と一唸り。

「もー。男子ってよく分かんないのだよ」

 それにこのままではキリがない。だから樹はとりあえず二人に飛びつくように駆け寄り、その背中にバチンと手を叩きつけてやったのだった。

「「いってえ!?」」
「あははっ、やっぱり仲良しだ!」
「は、はぁ!?」
「あ、こら樹! 待てってばよ-!」


***

喧嘩するほど仲がいいってやつなんじゃないかな。
ちなみに徹も葵くんも、お互い仲が悪いとは思っていないと思います。幼馴染みとしてそれなりに仲がいい……というか気を遣わなくていい奴とはちゃんと思っているかも。
ただ「親友」という響きには「いやいやねーだろ気持ち悪いだろこいつと親友とか何それ意味分かんない」ってお互い思ってそうかなと。
面倒くさいね!
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