19:昼寝

そろそろ疲れてきました。

<お題一覧>
Type : 1

01:晴れた日に(済)
02:手(済)
03:風の吹く場所
04:白い花
05:綺麗なもの(済)
06:笑顔
07:手を繋いで
08:うた(漢字は自由)
例 : 歌、唄、詩等
09:おひるごはん
10:海
11:同じ空の下
12:安らぐ場所
13:心音
14:手紙
15:風に吹かれて
16:夕焼け(済)
17:昼間の森
18:親友
19:昼寝(済)
20:おやすみ

<お題配布場所>
site name : 追憶の苑


※黒バス
※無敵戦隊ポイントガード、ダブルドリブル


19:昼寝


「かずなりー!」
「なりー!」
「おー、ダブドリ」
「今日こそ覚悟なのー!」
「なのー!」
「うはは、お前らほんと元気だよなー」

 ――それは、突然の、何の脈絡もない思いつきで。

「そうやって笑ってられるのも今のうちなのー!」
「なのー!」
「ふははは、そうはいくか! オレにだって無敵戦隊ポイントガードとしての矜持ってもんがあるからな! そう簡単にはやられないぜ……うっ!」

 高笑いから一転、膝を着く。その際に胸も押さえて。ぜぇ、と荒い息を吐くと、ダブルドリブルたちがぎょっとしたように肩を強張らせたのが視界の端で分かった。

「か、かずなり……?」
「どうしたのー……?」
「くっ……オレはもう駄目だ……笑いすぎ病に冒されてもう長くは……」
「「!?」」

 ととと、とダブルドリブルが近づいてくる。高尾はそっと並んだ二つの頭を撫でた。わあ丸い。髪の毛もツヤツヤである。なんというか瑞々しい。

「ごめんな、もう隆平さんのお菓子を分けてやることもできねぇや……」
「そ、そんな……」
「何を言ってるの……!」


***


 ばーん、と基地の扉が開かれたので顔を向けると、ダブルドリブルが高尾の手を引いてやって来ていた。いらっしゃーい、と春日は緩く笑って出迎える。ちなみに夕飯を作っている最中なので動くことはできない。火元から離れるのは御法度だ。

「よくアポなしで来るねぃ。連絡してくれれば夕飯も多めに作れたんだけど」
「り、りゅうへー!」
「かずなりが、かずなりが-!」
「およ? 和成がどうかした~?」
「いやあ、オレ、今笑いすぎ病にやられてるなうなんすよねー」

 必死な表情に何事かと高尾を見やれば、彼はへらっと笑ってそんなことを言ってのける。ちなみに手に繋がれた先のダブルドリブルはぷるぷる震えていた。あー、と春日は何となく状況を察する。横で手伝っていた福井も同様に肩をすくめていた。

「何やってんだお前」
「いやぁ、何となくっすね! あいた!」

 福井のデコピンが炸裂し、両手がふさがっているせいで避けられなかった高尾が短く呻く。

「程ほどにしろよ」
「うぃっす」

 一方、彼らのやり取りが目に入っていないらしいダブルドリブルたちの表情は悲壮なほどだ。

「かずなりは……無敵戦隊ポイントガードは僕たちが倒すの」
「のー」
「だからここで倒れちゃだめなの」
「のー!」

 ぷるぷる震えるダブルドリブルの間で、高尾もまたぷるぷるし始める。思い切り笑いを堪えているようだ。ある意味笑いすぎ病は嘘でも何でもないなと春日も苦笑してしまう。まあ、何というか。

「夕飯まで時間はあるから、それまでに終わらせるんよ~」
「はーい、了解でっす」
「かずなり奥行くのー」
「のー」
「……あいつら若いなー」
「健介、年寄り臭い~」
「うるせ。つか火力強すぎね?」
「おっと、ありがと~」


***


 どーん、と音がしたので顔を向けると、真剣な表情のダブルドリブルと口元を押さえてぶるぶる震えている高尾がいた。何だこれ。
 リビングにいた笠松、降旗、伊月、石田はぎょっとして身を引いてしまう。

「お、おう……? あっさり敵地に乗り込んできてることにはツッコまないでやるけど、どうしたお前ら」
「かさまつー! かずなりが-!」
「和成が? どうしたんだよ」
「あ、オレ今病気設定なんで」
「随分元気そうな病人だな、おい。つーか何で口押さえてんだ」
「可愛すぎて吐きそうなんす」
「……」

 思わず頭を軽く叩くと、「ぎゃっ」という短い悲鳴。ついでにダブルドリブルのそれぞれの瞳がぎょっと見開かれたのが分かった。高尾の方に後退っていく。

「お、鬼なの……」
「かさまつ怖いの……」
「ダブドリ、違うんだっ……これは幸男サンの愛の鞭ってやつなんぶふぁっ」
「せめて最後まで言えよ!」
「無理っす、オレ今笑いすぎ病なんで、ちょっ、痛い痛い頭はやめて、ダブドリマジで怯えてますから、うはははっ」
「まあ、ある意味お前のそれは病気だよなぁ……」
「楽しそうで何よりだよ」
「ぶふっ……誠凛さんの視線が生温い! ちなみにこの病気は感染するんで! とー!」
「わ、おい和成やめっ……うぁはははは!?」
「降旗も病気になったのー!」
「大変な病気なのー!」
「ハッ……その病気にかかったら俺の駄洒落も笑ってもらえる!?」
「「それはどうですかね」」
「一年共真顔やめろ! さっきまで笑ってたくせに!」

 何だこのカオス。
 笠松はため息をついて頭をかいた。騒がしいが、雰囲気自体は比較的のどかなので、どうしていいものか若干悩んでしまう。

「どうでもいいけど英輝、胃薬さっきも飲んだばかりだろ。連続はやめとけ」
「……しまった、無意識だった」
「大丈夫かよ」
「いしだも病気なのー!?」
「無敵戦隊は病気ばかりなのー!?」

 何やら誤解を広めてしまったらしい。ダブルドリブルの悲壮な悲鳴が部屋に響く。それを受けた高尾、降旗、伊月がぷるぷる震えながら下を向いた。――ガチで降旗と伊月もつられてやがる。いや、分かるけれど。可愛いような、可哀想なような、なんとも言えない気持ちは分かるけれど。
 と。

「そこまでや!」
「……」

 どばーん、と激しい音と共にやってきたのは。

「メガネビーム!」
「マロまゆ!」

 そう、今吉と花宮だった。

「……なあ、前から思っとったんやけどワシらだけネーミングに悪意あるのとちゃう?」
「誰がマロまゆだ誰が」
「何のことなの?」
「マロまゆ以外に誰がいるの?」

 本気で首を傾げているダブルドリブル。そこにあるのは無邪気な子供の、それゆえに残酷なまでに純粋な刃だ。子供って怖い。無邪気って怖い。

「まあええ。実はなぁ、その病気はワシらがバラまいたんや。苦しいやろ? つらいやろ? ええなぁ、そういう顔が見たかったんや」

 ――なぜノった。しかもそっちの方向で。もう一度言おう。なぜノッた。

「そ、そんな……翔一サンが黒幕だったなんて!」
「どうして俺たちにこんなことを! 俺たち仲間でしょう!?」
「それに、真も何でそっちに……!」

 なぜお前らもノリノリなんだ。びっくりだ。言い出しっぺの高尾はともかく、降旗と伊月までとなると頭が痛い。真面目そうな奴らだと思っていたのに――いや、本当に真面目な奴は恐らくこの無敵戦隊ポイントガードに参加などしない。ついでに石田がいつノるべきかとこちらを窺ってくるのが少しつらい。ソワソワしないでほしい。さすがにその責任は持てない。
 横にいる花宮は恐らく付き合わされただけなのだろうが、それはそれで何とも可哀想な――。

「何とか言えよ真!」
「くっ……本当は俺だってこんなこと……けど、今吉さんには逆らえな、うっ、ひくっ……すまない…………なんて言うと思ったかバァカ!」

 違った。ノリノリだった。意味が分からないレベルで花宮も彼らと同類だった。悲報である。

「何だ、騒がしいぞ」
「「レッド!」」

 とうとうおいでましたのは、無敵戦隊ポイントガードのリーダー、赤司征十郎だった。ダブルドリブルも警戒を強める――が正直非常に今更だ。このツッコミも今更なのであえてしようとは思わないが。

「……僕は赤司征十郎だ」
「レッドなの」
「なのー」
「おい敵に堂々と名乗ってんじゃねーよ征十郎」
「だって和成と隆平さんは名前呼びじゃないか。他のみんなだって名字だし……翔一さんと真さんは、まあその、あれだし」
「あれ言うなや」
「目を逸らして言うんじゃねえ」
「だから僕もちょっと仲間に入りたいと思ってもいいだろう?」
「レッドなの」
「なのー」
「……」

 子供とはかくも残酷な生き物である。無残にも切り捨てられた赤司はしょぼんと肩を落とし、高尾と降旗に何やら慰められていた。しかしそれも「とりあえず笑っとけよ」「笑いすぎ病にかかって俺たちと仲間になろうぜ」とよく分からない慰め方だ。
 だが、それも一瞬。
 赤司はカッと瞳孔をカッ開き、慰めていた高尾と降旗の肩をつかんだ。引き寄せる。

「うわっ」
「ぐえっ」
「ふ、まだ倒れていなかったことだけは褒めてやろう。翔一さんと真さんもここまでよくやってくれた」
「ありがたきお言葉」
「別に言われたからやったわけじゃねえ。俺がやりたかったからやっただけだ」

 何だ。ラスボスか。もうどうにでもなれだ。

「か、かずなりとふりはたを離すの-!」
「のー!」
「やべー、光ちゃんオレもこういう子供欲しい」
「将来設計早すぎじゃね? あと女の子にも憧れるし」
「でも女の子はお嫁に行っちゃうぜ」
「あ、それは確かに悲しい……」

 ――そこはきちんとノってやれよ。男子高校生らしからぬ世間話をしてるんじゃねえよ。

「ふふ。みんなを助けたいか?」
「……っ、で、できるのー……?」
「何か知ってるのー?」
「当たり前だろう、この原因は僕なのだから。みんなを助けたければ……」

 ごくり。ダブルドリブルが息をのむ。何となく他のみんなもそれに従って場を見守ってしまう。ツッコミはお亡くなりになられました。
 赤司は、口元だけで笑う。厳かに、確かな威信を込めて、口を開く。

「昼寝だ」
「……え?」
「ひる、ね?」
「寝る子は育つというだろう。みんなで寝れば免疫力が上がって病原菌にも打ち勝ち見事みんなも助かるというわけだ。だがみんな寝られるかな? 難しいだろうな。つまり僕の勝ちだ」
「そ、そんな……!」
「どうすればいいの……!」
「……ダブルドリブル」
「……かず、なり?」
「見本、見せてくれねーかな?」
「……え?」
「ダブドリが寝てくれたら、オレらも昼寝の方法が分かるかもしれねぇ……そしたらオレたちも勝てる! 生き残ることができる!」
「あ、じゃあタオルケット持ってくるな」
「英輝さんありがとうございます、手伝います」
「空調弱めた方がいいか」
「枕もほしいわぁ」
「隆平さんと健介さんも呼ぼうぜ、仲間はずれ良くない」
「このカオスに突っ込まれても逆に大変そうだけどな」

 わいわいみんなで昼寝の方向にシフトする。え、といくらか困惑した様子のダブルドリブルが赤司を見やり――赤司はニタリと笑ってみせた。

「怖じ気づいたか?」
「そんなわけないのー!」
「寝てやるのー!」
「それは楽しみだ」


 その後みんなでお昼寝をして、すっきり目覚めた後は美味しい夕飯をいただきましたとさ。めでたしめでたし。


「雑だな!?」
「終わり良ければ全て良しっすよ」

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二つ名:囁(アビス)
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