【わっか】よく目が合うね

見られてるじゃないですかやだー///


と私信をひっそり放っておきつつ(私信といえども何の深みもない内容だな)
ごめんなさいとしか言えない小話をまた一つ投下。

もっと丁寧に書いた方がいいのかもしれないなぁとも思ったり思わなかったり。
なんか今は殴り書きに近いというか、使い捨てるという表現が似合うんじゃないかというか、そんな書き方な気がしてしまいますね。いくらリハビリ中といえども。むむむ。
とはいえ書くのが楽しいと思えるうちはいいのかなー。



*******


 ふんふんと鼻歌が聞こえた。
 神俊之助は花の手入れをしていた動きを止める。今、この空間には一人。花屋は臨時休業日のため、いつもであれば冷静なツッコミ役であるバイト君こと田村誠司も、高宮いおりもいない。そして恋人の高宮幸子は友人との先約があるということでやはりここにはいない。
 ここには一人――否、一人と一匹しかいなかった。

「……」

 俊之助はそろりと背後を見やる。
 背後には、ご機嫌な様子の黒い塊。――それは猫のぬいぐるみで、幸子が持ち込んだ私物であった。厳密には幸子におねだりをされ、購入したのは俊之助自身だ。生意気そうな顔にずんぐりとした体型、何よりぽっこりと浮かんだでべそがチャーミング、らしい。彼女の趣味は時々よくわからないと思う。

「ふんふん♪ ふふーん♪ にぼしはママの味にゃ~♪ ママはにぼしのにおいがするニャ♪ おひさまにゃ♪ ネズミを生け捕りあぶりゃあごちそう♪ にゃあにゃあにゃぁ♪」

 何とも言えない気持ちで俊之助は頭をかく。
 ぬいぐるみが喋る。その事実は明らかに異常であり不気味だった。しかし、人とは案外柔軟に馴染む生き物らしい。俊之助自身、初めの頃は精神的におかしくなったのではないかと思うほど動揺したこともあったが、今ではもう慣れたものだ。この黒にゃんとやらが何者なのかは結局分からないが、何度も話しかけられたり噛まれたりしていればいい加減耐性もついてくる。それにしたってこいつは人前では行動を起こさないのだからタチが悪い。
 とはいえ、ヤケになって無理な構い方をしない限りは、そう害が及ぶものでもない。もう一度だけ黒にゃんを見、俊之助はため息をついて作業に戻ろうとした。

「おいにゃ」
「……」
「おいにゃ、俊之助にゃ」
「……」
「最近よく目が合うにゃぁ、こっちに気があるのかにゃ?」
「お前が変な歌聞かせてくるから気になっちゃうんだろうが!?」
「困るにゃ、浮気は良くないにゃあ」
「聞けぇえ!?」

「俊ちゃん……?」

 ふいに割り込んできた声は俊之助の焦がれていたものだった。しかし普段よりも随分と困惑気味なもので、俊之助は思わずその姿を確認する。予想通りとも言うべきか、花屋のドアの前に立っていたのは、

「――え、さち!? 今日は確か友達と遊ぶって」
「ちょっと予定入っちゃった奴もいて、早めに終わったんだけど……どうしたの俊ちゃん、黒にゃんに叫んで」
「ちがっ……違うからさち! これにはワケが!」
「うん、えっと……病院とか予約いるかな?」
「聞いて!? あと目ぇ逸らさないでってぇ!?」


【よく目が合うね】


(照れるのにゃ)
(俺、さすがに疲れてきたぜぇ……)


*******


わっか日和、地味に不思議な現象もあるんです。ハイ。
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