【PONS】呼び方とか

仕事中に友人(同じ職種)とメールのやり取りをちょくちょくしてまして。
いや、もちろん業務に支障のない範囲で、ですけれども。


私「バタバタしてて余裕なっしん」

友「こっち暇すぎて」

てめえ。

他にも「残業したい」だの「やることなさすぎて退屈」だの「眠い」だの。


てめえ!!

大人しく有給でも取ってろ!!

。゚(゚ `Д)ノ。゚ヽ(  )ノ゚。ヽ(Д´ ゚)ノ゚。。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。ウワァァァン!!


……と、いうような感じの最近です。
あの……マニアックな案件に追われて、通常業務が滞って何もできないのですよ……
明日はおそらく確定的残業。
残業になるのは確定的明らか。
確定的って言っておけば何となくカッコ良く見える気がするのは確定的明らか。

確定的がゲシュタルト崩壊しそうなところで、追記にポン酢ネタ。
もうちょい残ってますよ。
地味に色んなところで書いてたんですねぇ……。




 その日、春樹が職員室に足を踏み入れると、二人の教員――ユクイルと支倉が何やら顔を突き合わせていた。
 特に珍しい組み合わせというわけでもないだろうが、それにしたって一体何をしているのか。
 春樹は不思議に思い小首を傾げ、

「うわあ」

 思わず平坦な調子で呟いてしまった。
 その呟きを耳にした二人が一斉にこちらを振り返る。

「あ、日向春樹くん」
「やぁやぁ」
「こんにちは」

 笑顔で振り返った二人に、春樹は一度、ぺこりと頭を下げてみせる。
 その勢いで視線をさらに下へと落とした。
 彼らの間に挟まれた机の上には、これでもかというほどの菓子の類。
 予想を上回るその量は見ているだけで胸焼けを起こしそうだ。

「どうしたんですか、それ。……もしかして手作りですか?」

 どれもこれも上手なのだが、いかんせん、包装が味気ない。中にはタッパーに無造作に詰められたものもある。味はさておき――それほど甘いものを食べない春樹から見ても美味しそうには見える――どうにも売り物な気配は感じられない。
 その思いで尋ねると、ニパリと笑ったのは支倉だった。

「よく気づいたねー。ふーみんお手製さ!」
「ああ、掛川先生の……」

 納得の意味を込めて首肯する。
 掛川といえば家庭科の教師である。ならば菓子作りもお手の物だろう。そういえば弟の大樹が、以前、作りすぎたという彼のお菓子をもらってきていたような。

「日向春樹くんも食べる?」
「え、あ、はあ。いいんですか?」

 ユクイルに無邪気に手渡され、思わず持っていた書類を横に置いて受け取った。カップケーキだ。ふんわり黄色い焼き目が盛り上がり、中からちょこんと顔を見せるチョコチップたち。
 どうでもいいがこうしてユクイルからお菓子を受け取ると、まるで子供からお裾分けをされたような錯覚に陥りそうになる。そんなこと、決して口にするような春樹ではないのだが。

 ありがとうございます、とお礼を言った春樹はまじまじと二人を見た。先ほどからこのお菓子の山を食べていたのだろう。授業中ではないので特に文句も抗議も口にはしないが――。

「それにしてもすごい量ですね……これ、掛川先生が全部お二人に?」
「いやぁ、ふーみんは照れ屋だからね! 渡せずに冷蔵庫にしまっていたのを俺が受け取ったってわけ」
「それ、くすねたって言うんじゃ」
「いやいやだって俺の冷蔵庫にあったんだし」
「支倉先生って掛川先生と同居してませんでした?」
「……偉い人は言いました。俺のものは俺のもの、おまえのものは」
「偉い人じゃなくてガキ大将です」
「んもぅ、春樹くんのイケズ!」

 淡々と打ち返す春樹に、ツンツンと頬をつついてくる支倉。
 それをあははーとのんびり笑って見守るユクイル。
 カオスだ。

「ところで日向春樹くんはどうしたの? 職員室に何か用があったんじゃなくて?」
「あ、そうでした。ユクイル先生にちょっと聞きたいことがあって」
「え、俺? ん、わかった、ちょっと待ってね」

 そう言って食べかけだったシュークリームを頬張るユクイル。もしゃもしゃと幸せそうに食べているその姿はまるで小動物だ。見ていた支倉の顔が思い切り和んでいる。
 しかし何を思ったのだろうか。その和んだ顔のまま、支倉はくるりと顔をこちらに向けてきた。

「そういえばさ、春樹くんってユクイル先生のことはユクイル先生って呼ぶよねー」

 ……ん?
 春樹はゆっくりと瞬いた。意図が把握できずに首を傾げる。

「えっと……?」
「いや、ほら、基本は名字呼びじゃない? 俺のことも支倉先生って呼ぶし、あと例えば寝太郎のことは粗西先生とか、ふーみんも掛川先生とか、カイシューも秋海先生とか」
「それは、まあ……」
「でもユクイル先生のことは、ユクイル先生なんだなぁって」

 言われてみればそうだ。今更といえば今更なことであるが――さらに言うなら支倉があだ名をつけすぎなのだという気もするが――彼は決して間違ったことは言っていない。

「そうですね……うっかり、つい、といいますか」

 言葉に迷い、思案する。そこまで深く考えていたわけではなかった。ユクイルを「ラヴァティ先生」と呼ばずに「ユクイル先生」と呼んだことは、春樹にとっては比較的珍しくも「うっかり」で「つい」で「何となく」だった。

「なんていうんでしょう。中等部の先生で、しかも歴史を教えてくれるということで嬉しくなっちゃったのと……やっぱり、ファーストネームやセカンドネームには僕も馴染みが薄いので……」

 「名字」ではなく「名前」で呼ぶよりも、まだ違和感や抵抗が少ないのだ。意味上は同じことといえど。

「春樹くんって、生真面目な割に時々かなりフリーダムだよね」
「どーゆう意味ですか、それ。……ユクイル先生も、やっぱり違った呼び方にした方がいいでしょうか?」

 フリーダムの代表とも思われそうな支倉の発言に嘆息を向けつつ、そっとユクイルを窺う。確かに彼は先生だ。威厳というものも必要だろう。ファーストネームで呼ぶのは馴れ馴れしかったかもしれない。
 視線を向けられたユクイルは「ん?」と瞬いた。もしゃもしゃごくん。まだ食べていたらしい――というよりも春樹と支倉が話していたので新たなお菓子に手をつけてしまったらしい――ユクイルは、ゆるりと笑う。

「俺はとりあえず先生って呼んでもらえればそれで嬉しいなぁ」

 ――身長や雰囲気のせいで生徒によく間違われる彼らしい、ある意味切実な答えだった。
 ふぅん、と軽く呟いた支倉が笑みを浮かべる。キラリ。ドヤ顔。

「俺のことも俊先生って呼んでいいんだよ?」
「支倉先生」
「だから俊先生って」
「支倉先生」
「あ、あの、春樹くん」
「HASE倉先生」
「スタイリッシュ!」
「はげく、……あ」
「え、今のわざとだよね!? ねえ!? 地味にその呼び方気に入っちゃってるでしょ春樹くん!?」
「それよりユクイル先生、先ほどの件ですけど聞いてもらっていいですか?」
「いいよー」
「うん、ユクイル先生ももうちょっとフォローしてみようか! ね! ほら簡単だよ、俺に続いて!」
「実は昨日の授業で……」
「のおおお聞いてえええ」


 その後支倉の叫びを聞きつけた掛川が職員室に飛び込んできて、気づいてしまった大量の菓子の行方を巡って学校中での鬼ごっこに発展したりもしたのだが――それはまた、別のお話。


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