【PONS】お祭り!

相変わらず咳が止まりません。げほんごほん。
そして咳が止まらないために引きこもっております。ヒッキーしております。
つまりもちろんネタがないのであります。

霧生ヶ谷には一本投稿してきましたけどね。
あずささんはそろそろ倭鏡伝の本編頑張ろうね。あと一踏ん張り張りだからね。いやはや本当に。

春樹が!
もっと!
頑張ってくれれば!

春樹「他力本願はやめてください」

……ハイ……。


追記に、再びPONSで書いた小ネタを突っ込んでおきます(´∀`)
 愉快に鳴りたてる太鼓たち、賑やかに浮かれる祭囃子、カラコロ下駄が笑って、押し寄せる熱気に流されて、
 ――だから、祭りは大好きだ。


【お祭り!】


 この日、日向大樹は同じ聖コスモス学園に通うアールルド=エンナと一緒に、近所で開催されている夏祭りに来ていた。やっているみたいだから行かないかと誘われて、首を横に振る選択肢などあるはずもない。言葉も惜しいとばかりに大樹はうなずき彼に飛びついたものだ。

「アル! たこ焼き! たこ焼き食おーぜ!」
「おー、いいなあ。俺も食いたい」

 見つけた看板を指差せば、アールルドも顔を綻ばせてうなずいてみせる。
 しかしふと、彼は困ったように眉を寄せた。

「でもさっきも焼きそば食べなかったか?」
「おいしいものはたくさん食べたいんだぜー」
「俺もそうだけど、この調子じゃ全部食べきれないような……そうだ、半分こするのはどうかな。それならたくさん種類も食べられる」
「アルすげぇな! 天才!」

 だろ、と楽しげに笑う彼に、おう、と大樹も楽しくなって元気に返す。
 そんなことを話しながらたこ焼きを買いに走れば、すぐに濃いソースの香りが辺りを満たした。小銭と引き替えに手渡されるプラスチック製のパック。中ではかつおぶしが、やはりこの熱気に浮かされたかのように踊っている。たっぷり艶やかなソースに散られた青ノリ。頬張れば湯気が、生地が、口の中にいっぱいに広がって、そしてじんわりふんわり幸せな気持ちにしてくれる。とろける生地に隠れたタコを噛みしめ、飲み込み、熱い息を吐く。緩む頬のまま顔を上げると、隣の彼もまた似たような顔をしていて。

「うまい!」
「うまいなー」

 顔を見合わせ、笑い合う。そして二人はまた次の目的地を探して歩きだした。

 斜め前を歩く彼の裾がひらりと揺れる。せっかくのお祭りということでアールルドも大樹も浴衣だ。着せるのを手伝った春樹が「金色の髪に浴衣というのも映えますね」と言っていたのを思い出す。「映える」というのがどういうことなのか大樹にはよくわからなかったが、彼を見て、単純に似合うと思うのは確かだった。どこか着慣れていない風ではあるが、それもまた、素朴な彼の性格を表しているようで面白い。

「りんご飴食おうぜりんご飴っ」
「お、いいなあ。そっちには焼き鳥あったぞ」
「うわあ食いてぇっ。ほら早く早く!」
「あ、こら、走るなって! まだたこ焼きも全部食ってないだろ」

 苦笑するアールルドの声を背にカラコロ元気に走り出す。周りを見れば夜なのに明るい光が満ちていて、音が、人が溢れていて、いやがおうにも気分を高揚させてくれる。これだから祭りは楽しいのだと大樹はワクワクし、

「……あ、れ? アル?」

 振り返った先に今まで一緒にいた彼の姿が見えなくて、思わず足を止めた。

「アル? アルーっ?」

 ぐるぐると視界を動かすが、彼の金色の髪も、彼に馴染み始めていた浴衣も、どこにも見当たらない。背の高い彼のことだから、近くにいればすぐに見つけられそうなものなのに。

「ま、迷子? ったく、もー。ちゃんとついてこなきゃダメじゃんか」

 ものすごく失礼なことを深く考えずに呟き――その呟きは喧噪に呑まれて消える。答えてくれる人はいない。先ほどまで笑っていた彼が、いない。
 一段と耳に刺さるざわめき。人の壁にぶつかりよろけ、慌てて避け――思わず大樹は走り出した。当てがあったわけではない。ただ何となくじっとしていられなくて、とにかく探してみないと落ち着かなくて、人混みの中をぐいぐい縫って走り出した。
 人の波。立ち並ぶ出店。祭囃子に話し声、笑い声。先ほどまであんなに楽しかったものたちがもどかしくて仕方ない。どれもこれもが行く道を阻む。邪魔をする。
 けれどこの中のどこかに、きっとどこかに彼が、

「ぅわっ」

 慌ただしく周りを見ていたせいで足下が疎かになっていた。人の足か、置物か、よくもわからない何かにつまづきバランスを崩す。やばい、と身体を硬直させた瞬間、

「う、わ。危ないな」
「アル!」

 頭上から降り注いだ声は、求めていたもの。
 ぐいと思い切り顔を上げると、後ろから支えてくれたアールルドの顔が視界に入った。右手で大樹を支え、左手にはたこ焼きの残り、さらに器用にも瓶を二本。瓶は澄んだ青色をしていて、中身がたぷんと、アールルドの動きに合わせて跳ねた。

「飲み物が欲しいかなと思ってラムネを買ったんだけど、大樹、気づかないでどんどん行くんだもん。焦ったろ」
「……ラムネ?」
「そう。ほら」
「うおぅ!?」

 ぺたりと顔に瓶を当てられ、その冷たさに奇妙な――謙遜なく――声が出る。それにカラカラと笑ったアールルドは大樹に一本渡し、ぐいともう一本の瓶をあおった。カラン、カラン。ラムネ瓶の中でビー玉もまた笑う。

 音が、光が、熱気が、においが、楽しげな色を伴って戻ってくる。
 賑やかでこちらまで嬉しくなってくる、そんな世界が戻ってくる。

 ――ああ、違う。

 じわじわとこみ上げてきた気持ちに大樹は笑顔になり、アールルドの腕に思い切り飛びついた。たこ焼きを落としそうになったアールルドから悲鳴が上がる。

「ちょ、危な!」
「へへーっ」

 ――華やかで生き生きとした祭りの世界。それは一人でも確かに楽しいかもしれない。嬉しいかもしれない。
 だけど今、こんなにも楽しくて仕方ないのは、ワクワクが止まらないのは――大好きな友人と一緒にいるからなのだ。一緒に楽しめるから、
 だから。
 だから、祭りは好きなのだ。


+よく分からないおまけ+

「あ、萠じゃん!」
「大樹くんたちも来てたのか」
「おー。わたあめ食ってた!」
「それはおいしいのか?」
「おうっ。食ってみろよ、ほら」
「……ん、ほんとだ。甘いな」
「うまいよな!」
「ああ、おいしい。好きだよ」
「オレも好きだぜー! あ、萠は何食ってんだ?」
「これか? これはかき氷だよ。冷たくて好きだ」
「わかるわかる、オレも好き!」

「ちょ、どうしよう。あそこ、好き好き言ってて止まらないんだけど」
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