【SS】飴と弟と先生と

書くことがない……ので、PONSに投稿したコラボネタを追記に投下しておきます。
コラボネタなんで、相手のキャラが分からないと全然わかんなかったりするんですけどね。

ちなみにPONSというのは、私が企画運営している、

P(パロディで)O(オリジナルな)N(なりきり)S(スクール)

ですね。
いやまあ、3月末で終わる予定の企画ですけれど。
あんまり上手く動かすことはできなかったなあ。不甲斐ないね(´・ω・`)



 こざっぱりとした面白味のない質素な部屋も、不思議と空気が違う気がしてくる。
 ――いや、元に戻ったというべきか。
 そんなことをつらつらと考えながら、日向春樹は改めて部屋をゆるりと見回した。
 ベッドには弟の大樹がゴロゴロと転がっている。ベッドの感触が気に入ったらしい。顔を見る限りご満悦のようだ。

「結局来たんだね」
「そりゃ、春兄を放ってなんかおけないからな! 危なっかしすぎて!」
「お前には言われたくないよ」
「何だよそれー」
「言葉通りの意味だけど」

 椅子に腰掛け、ため息を一つ。
 物の配置は何ら変わっていないはずなのに、この弟の存在、それだけで日常らしさがぐっと増してしまうのだ。
 賑やかといえば聞こえはいいが、騒々しいと言っても差し支えない程度にはうるさい存在である。

「ここは学校なんだからな? 遊びに来たわけじゃないんだから、勉強はちゃんとしろよ」
「もう夏休みじゃんかー」
「宿題があるだろ」
「うっ」

 鋭く切り返せば、単純な弟はすぐ言葉に詰まる。
 枕を抱えて上半身を起こした彼は、しばらく目を泳がせた後、

「あ、そーだ!」

 あからさまに話題を変えてきた。
 あからさますぎて苦笑せざるを得ない。
 しかしこれ以上追及したところで話が平行線なのは火をみるより明らか。
 春樹は何度目かの嘆息で気持ちを切り替えることにした。

「……何?」
「あのな、さっきアメもらった! 春兄にもやるな。んっと、おとこきまい? とかいうやつ」
「……それ、男梅って読むんだけど」

 恥ずかしい。兄として恥ずかしい。
 しかし今後のために学習させるのも兄の務め。
 しつこいほどのため息をつきげんなりと指摘をしてやれば、大樹はきょとんと瞬き、「あ、どーりで酸っぱいと思った」などとケラケラ笑う。
 なんというか、大物だ。我が弟ながら。

「ちなみに誰に貰ったんだ?」
「ん? んっとなー、なんかすっげーでかい奴!」
「アバウトすぎるよ」

 大樹からすれば大半の人間は「でかい奴」に違いない。

「男性?」
「おうっ」
「うーん、誰だろ。アメくれる……ってことは支倉先生かな……」

 何となく春樹の中で、彼は常にお菓子を持ち歩いているイメージがある。
 しかしあの先生にしてはチョイスが渋い。飴は飴でも男梅って。
 彼はどちらかというと、ケーキなど甘いものを中心に振る舞っていたはずだ。

「粗西先生は分けるより食べる専門っぽいし、和菓子中心だろうし。となると掛川先生か秋海先生……男性のリクト先生ってことも……うーん」
「ジャージ着てたぜー」

 もごもごと飴を頬張りながら大樹が補足する。
 ――それ、僕にくれるって言ってた飴じゃ?

「ジャージってことは秋海先生かな。ちょっと無愛想っていうか、無表情な感じの?」
「え? 結構笑ってねぇ?」
「え?」
「え?」

 二人は顔を見合わせる。
 しばしの沈黙。

「……威圧感とか、割とある先生じゃなくて?」
「なんかこう、フッて笑って、アメぽんってくれたぜ?」
「え?」
「え?」

 ――その後、秋海自身の「子供は好きです」発言も相まり、どこからともなく「みや父さん」と囁かれることが増えたとか、何とか。
 それは、春樹たちの与り知らぬ話である。と、いうことにしておこう。
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