ツイッターの創作クラスタでもそもそやっている、現代パラレルの擬似兄弟話。
コネタで投下しておきます(´∀`)ムフフ



【夕日を好きになった日】


 滔々と、滔々と。
 日がゆっくりと落ちていく中。
 ぽつんとした街灯の下で、大樹はこれまたぽつんと立ち尽くしていた。

「……やべ」

 呟いた声に、いつもの元気はない。
 それもそのはずで、今現在、彼はただ一人――

「……ここどこ?」

 迷子、だった。

「うわああどこだよここー!? シヴァ兄ー!? 優乃姉ー!?」

 叫ぶが返事はどこからも返ってこない。
 近くを通る人々が何事かとチラチラ見ていくが、もう日が暮れるからだろうか、急ぎ足で過ぎていくばかりだ。それがますます心細さを煽って仕方ない。何よりこの歳にもなって――小学生の中では最高学年!――迷子というのが情けなかった。確かに普段から周りをよく見ろ、とは姉に注意されていたけれど。

 はあ、と大きなため息を一つ。
 今日は買い物だった。それも少しばかりの遠出をしてだ。何でも優乃とシヴァには近場では手に入らない必要なものがあるらしい。具体的に何なのか聞いてみたら蓮見に「ボン、世の中には色々あるんですよ……」と意味深に誤魔化されてしまった。それで納得できるはずもなく、突き止めてやろうという気持ちもあって、今回大樹も一緒についてきたのだ。
 しかし元々じっとしていられない性分の大樹である。あまり来たことのない場所に浮かれ、きょろきょろと興味を振りまいている内に、気づけば一人見知らぬ場所に立っていた。

 ――はぐれた。その焦りから走り回った結果がこれだ。見失った姉たちを見つけるどころか、自分の居場所さえ見失った。

「うぇえ……」

 さすがに走り回りすぎた疲れもあり、その場に座り込む。どうしよう、と思考はぐるぐるの堂々巡りだ。
 泣かないけど。泣かないし。泣かないんだからな!
 情けなさと不安と心細さと、色々な感情が駆け巡る中、大樹はぎゅっと拳を握る。これくらいで挫けそうになってどうする。自分は、あの鮎柳だぞ?
 言い聞かせながら顔を上げると、目の前の空はひどく赤く染まっていた。
 ――血みたいだ、と大樹は思う。真っ赤な夕焼け。それは何だか不気味で、大樹は慌てて目を逸らす。そのまま立てた膝に顔を埋めた。さすがに空気も冷えてきたせいで、むき出しの膝小僧がひんやりと冷たい。

「……うー」

 ぐう、とお腹が今の状況に不満を訴えた瞬間。

「大樹!」

 よく通る姉の声が聞こえ、大樹はパッと顔を上げた。その先に優乃がこちらに走ってくるのが見える。
 本物だろうか、なんて馬鹿な考えを浮かべながらボーゼンとそれを見る。ぱちぱちと瞬き。燃えるような赤い髪がまるで夕日に溶け込んでいるようだった。
 そうしてあっさりと大樹の前に着いた彼女は、少し、怖い顔。

「優乃姉……」
「びっくりしたぞ、急にいなくなるんだから」
「うっ」
「だからいつも言ってるだろ? もっと周りを見ろって」
「……ご、ゴメンナサイ」

 確かに今回は自分が悪かった。言い訳すら出てこない。
 がっくりとうなだれて謝ると、小さく笑った優乃がぽんぽんと頭を撫でた。

「今度から気をつけろよ」
「……! おう!」

 ……私も甘いかなぁ、なんてぼやきが頭上から聞こえてくる。ちょっと呆れたような、困ったような、だけどおかしそうな、そんな声。その声を聞いていると不思議と落ち着いてくる。

「あ。大樹、いた?」

 ゆったりとしたペースで獣の耳を揺らしたシヴァがやって来た。片手に抱えているのは、彼とのバランスがおかしい気がするほどのどでかい荷物。
 大樹を引っ張り上げた優乃が軽くうなずく。

「ん、見ての通り」
「ずい分離れた場所にいたんだね」
「おかげで手こずったよ」
「ご、ごめんってばー!?」

 これ以上話題を引っ張られると居たたまれない。慌てて叫ぶと、優乃とシヴァは互いに顔を見合わせた。
 一瞬の間。
 そして――くすりと小さく笑い合う。

「ほら」
「帰るぞ」

 夕日を背に笑って差し伸べられた、二つの手。

「……おう!」

 大樹は嬉しくなって、その二つの手へ思い切り飛び込んだ。

 先ほどまで不気味に見えた夕日が、すごく優しく、きれいに見えた。


fin.


なんか物騒なものとか購入してそうだよね、お姉ちゃんとお兄ちゃん←←

大樹は元々夕日は嫌いじゃなかったんだけど、なんかこう、印象的で、それでますます好きになったみたいな……その……優乃ちゃんの髪と溶け合うような、っていう表現が書きたかっただけです^q^ごめんなさい分かりにくい!
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