【いとこ】いきなりの、

【1】【2】【3】【4】


の続きメモ。
注意書きはもう……い、いいかな……?
でも久しぶりですしね……

というわけで

<注意>
・元々、「樹」は大樹の性転換キャラだった。(あくまでも元々ということで…w)
・この段階では高校2年生
・HCS(春樹ちゃんシリーズ)とはまた別物
・むしろ倭鏡伝の世界観は無いんじゃないか(曖昧)
・そのため名字が変わる可能性も無きにしもあらず。一応今は「日向」で記載。
・これらの注意事項から分かるように、未だに設定が曖昧
・恋愛……が中心なのかといわれるとちょっと口ごもる


こんな感じですが、大丈夫な方は続きをどうぞ。
あ、拍手レスはまた後ほど! しに来ます!



*****ここから*****


 樹と航樹が付き合い始めたという事実は、あっという間に学校内に知れ渡った。

 航樹は元々バレー部の期待の新人として注目を浴びていたし、樹は樹で至るところに交友関係があるうえ、日々の活動で悪目立ちすることが多い。ある意味どちらも「有名人」だったのだ。そもそも少し前から航樹のボディガードとしてべったりとくっついていたものだから、徹を含め、奇妙な三角関係だという噂があったくらいである。
 その二人が手を繋いで登校してきた。誰もが「まさか」とも「やっぱり」とも言いがたい感情を抱き、その興味はあっさりと本人たちへ向く。そしてどちらも隠し事のできる性格ではなく、周りに聞かれたらあっさりと白状し――結果、二人の交際関係は一気に広まることとなった。

「まさか、あんたらが付き合うなんてねぇ」
「みか、重い」
「あーら、ごめんあそばせ」

 ほほほほ、とわざとらしいほどの高笑いをしてみせるのは三島美嘉。樹のクラスメイトだ。派手なメイクや制服のアレンジに余念がない彼女は、どこまでも我を主張する胸を樹の頭の上に乗せて話すのが日常茶飯事である。時折、男子からの羨ましそうな目が樹には邪魔くさい。それ以前に頭に重さをかけないでほしい。縮んだらどうしてくれるんだ。

「で、実際のとこどうなの?」
「んぅ?」
「付き合った感想」
「うえっ」

 奇妙な声を上げてその場に固まる。徐々に頬が、いや、顔全体が熱くなってくるのが分かった。恥ずかしすぎて机に突っ伏したい。その勢いで頭を打ちつけてもいい。――痛いのは、イヤだけど。

「き、昨日の今日だもん。分かんないってば」
「ふぅーん?」
「ほんとデスー!」
「誰も嘘だなんて言ってないけど。今までなら、付き合うってどこに? とかすっとぼけたこと言ってたじゃなーいー?」
「う……っ」

 グリグリと柔らかいものを頭に押しつけられながら、今度こそ樹は押し黙った。
 確かに意識し始めてからというものの、「好き」だとか「付き合う」だとか、今までごく普通だと思っていた言葉がまるで違うもののように聞こえてくる。
 今まで樹にとって、そういう意味のソレらは、マンガやドラマの中だけの世界だったのだ。
 それがまさか、こんなにも。

「駄目だぜこいつ、がちがちになってて。見てらんねーくらい情けないでやんの」
「とーる!」

 後ろからやってきた徹を睨みつけ――たいが、美嘉に後ろから腕を回されているため振り向けない。
 仕方なく声を荒げることで意思表示してみるが、何のその。慣れているのだろう、彼に怯んだ様子はない。それは無遠慮に頭を小突いてくることからもよく分かる。どうでもいいが美嘉といい徹といい、頭をいじりすぎではないだろうか。

「てか、徹」
「んぁ?」
「あんたも一緒に登校してきたって?」
「あ、あぁ……?」
「ばっかねー。気を遣うこともできないの?」
「何がだよ」
「めでたく誕生したカップルの時間をぶち壊す輩は馬に蹴られた衝撃で凍っていた豆腐の角に頭ぶつけて死ぬわよ?」
「聞いたことねぇよそんな死に方!」
「それだけ空気読めてないってことよ」

 辛辣に言い捨てた美嘉は胸を張り――ふくよかな二つの果実が大げさに揺れる――笑って言った。

「よっし、それじゃ見に行きますか」
「え」
「あんたの愛しのダーリンをね」
「えええ!?」



 何やかんやで授業まで時間がある。そのため美嘉の言葉に流されるように一年の教室に行くと、そこでも人だかりができていた。
 その中心には航樹がいて、何やらもみくちゃにされている。

「うわー、すごい」
「そりゃすげぇけど……ていうか、お前はそんな暢気でいいのかよ」
「んむ?」
「いや、だって……あいつ、女子とも話してるし」
「すごいよねぇ。コーキってモテるんだなぁ」
「……嫌じゃねぇの?」
「? 友達は多い方がいいじゃん?」
「……ああ、うん、まあいい」

 徹が何を言いたいのか分からずに首を傾げれば、徹は疲れたようにため息をついて髪をかき回してきた。
 悲鳴を上げるとすぐにやめたが、それにしても意味が分からない。
 そうやってゴソゴソやっているとあちらの方が気づいた。
 パッと笑顔を向け、友人という名の壁をかき分けてやってくる。

「樹!」

 まるで御主人様の帰宅を喜ぶ大型犬のようなその姿に、樹は何となく和んでしまう。

「どうしたの?」
「みか……あ、クラスの子なんだけど。コーキを見たいって言うから来ちゃったのだよ」
「どもー」

 ヒラヒラと美嘉がにこやかに手を振ってみせる。航樹は一度瞬き、ぺこりと頭を下げてみせた。
 それからまた樹に向き直る。

「とにかく来てくれて嬉しいな」
「ん……でも邪魔じゃなかった? いっぱい友達いたじゃんか」
「可愛い子もいたしなぁ」
「ふぐ!?」

 どしりと樹の頭を肘置きのようにして体重をかけてくるのは徹だ。
 ぐいぐいと押してくる。痛い。重い。邪魔だ。
 いい加減頭に来て押し退けようとした瞬間――。

「でも、オレはやっぱり樹が一番可愛いと思うけど?」

 そんなことを、航樹はあっさりと笑顔で言ってのけた。
 これにはさすがの徹も押し黙る。美嘉もまた目をまん丸にして口に手を当てていた。あえてアテレコするなら「あらま」だ。

「い、いつきは可愛くないってば。コーキは変なことばかり言うなぁ」
「何で?」
「う、だって。よくチビだとか猿だとか男女だとか言ってくるし」

 主に徹が、だが。
 それでも実際、樹は昔から男子に混じって遊ぶことも多かった。体を動かすことが好きなのだ。だから外で駆け回る方が好きで、そういうことを続けていると「男らしい」だの「女らしくない」だのと評されることはままあった。

「ふぅん」

 のんびりと呟いた彼は、それからゆったりと笑って。

「他の人は知らないけど。オレは、樹がかわいいと思うよ?」

 懲りもせずにドスレートな言葉を無邪気に言うのだった。

 航樹は、こうやって不思議なことばかり言う。
 だから樹は慣れないし、恥ずかしくなって訳が分からなくなる。
 決して不快ではない。ただ、くすぐったくて、どうしていいか分からない。それは初めての感覚かもしれなかった。

 そこで航樹が友達に呼ばれ、何かやることがあるらしく、「またね」と中に入っていく。
 樹もまた曖昧に手を振り――美嘉の言葉に意識を戻された。

「……あーらら。驚いた」
「何が?」
「いやぁ、木之元って結構女の子と付き合ってたじゃないの」

 くるくると自分の髪をいじりながら、美嘉は事も無げに言ってみせる。それを聞いた徹が眉をひそめた。しかし美嘉は気にしない。マイペースなのだ、彼女もまた。自分だけの時間で生きている。

「あらやだ、意外?」
「意外っていうか……」
「運動ができて、背もそこそこ高くて、顔も……まぁ好みはあるでしょうけど、平均叩き出したら中の上くらいの評価は得られるんじゃない? そりゃモテるでしょうよ」
「理屈じゃ分かるけど、なんか想像つかねぇぞ」
「まあねえ。実際よく告白されて、そのたびに付き合ってはみるんだけどすぐフラれてたみたいよ? 無関心すぎるっていうか、女心が分かってなさすぎっていうか、何よりバレー一途すぎるっていうか。それで女の子が離れていっちゃうって話」

 へぇ、と徹が気のないように呟く。樹もぼんやりとその行動にならった。徹の言う通り、あまり実感が湧かない。

「……ん? てことは?」
「分かった?」

 美嘉がニヤリと口角を上げる。

「今まで全部受け身で、木之元から女の子を口説いたことなんてないんじゃないの? 少なくとも私は聞いたことないわ。一時期、ゲイなんじゃないかって噂が流れたこともあるらしいし」
「げい?」
「てめぇには関係ねーよ」

 聞き慣れない単語に首を傾げるが、げっそりとした様子で徹が遮断する。
 それは気に入らなかったが、それよりも確かに気になることがある。
 美嘉の言うことは、つまり、すなわち。

「本当に好きなのねー、あんたのこと」
「うえっ……え、あの」

 突きつけられた現実は、やはり、樹にはよくわからないもので。

 オロオロしていると、ふいに航樹のクラスから一人の女の子が出てきた。
 ふわふわとした肩につかない程度の髪と、それに反し、ガチガチに緊張した面もちの少女。
 彼女は両手を胸の前でかたく握りしめ、そしてなぜかこちらの方にいそいそと歩いてきて、そしてぴたりと徹の前で動きを止める。ふわりと、遅れて髪と膝丈より少し短いスカートが揺れる。
 賑やかな世界の中で彼女の周りだけ空気が違う。浮いているというべきか、馴染んでいないというべきか。それは決して彼女が浮世離れしているというわけではなく、あえて言うなら、視線の熱が異様なためにそう感じられるのだろう。
 そうやって唐突に存在感を露わにした彼女は、困惑する樹たちをよそに、ちらりと顔を上げる。

「あの、岡崎先輩」
「ん? ……えっと?」

 かぼそい声で呟いた彼女は、徹と、背後の航樹のことで盛り上がっているクラスを見やる。
 誰もこちらを気にしていないことを確認したらしく、彼女は小さく息をついた。
 樹、美嘉は顔を見合わせる。何やらただごとの空気でない。
 しかし彼女の視界に樹たちは入っていないのか。
 彼女は数度深呼吸したかと思うと、

「先輩、好きです。付き合ってくれませんか」

 そう、緊張した面もちで、しかしはっきりと声を絞り出したのだった。


*****ここまで*****


とりあえず徹は爆発しておけばいいと思います。
せめて花火となって風物詩に貢献すりゃいい。
スポンサーサイト
Home |  Category:メモやら小話やら |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
Tracback

Tracback URL :

Comment

    
Home   Top
 
プロフィール

あずさ

Author:あずさ
武器:シャーペン、ノート、パソコン、ポメラ
レベル:29
二つ名:囁(アビス)
あだ名:エゴイスティックスケコマシ
四字熟語:好色生活
(※二つ名メーカー、脳内メーカー等による結果)
アイコン:朧夜緋雨さまから

最新記事
カテゴリ
呟き、囁き、ぼやきに寝言
最新コメント
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード