【PONS】保健室の先生

2011/04/09 Sat 13:41


オリジナルキャラクタで登録し、交流を楽しむ、なりきりSNS、
P(パロディ)でO(オリジナルの)N(なりきり)S(スクール)。
そんなPONSに投稿したブツです。

字数関係のせいで泣く泣くこちらに(´・ω・`)

お借りしたのは支倉先生です。
ありがとうございました(´∀`)

*****ここから*****


 色濃く多様な生徒が集う、ここ、聖コスモス学園。
 しかしそこに集う個性とやらは生徒に限られたことではなく……。


「……支倉先生」

 ドアを開けたとたんに鼻を軽く刺激する、薬品のようなにおい。
 ごたごたに積み上げられた資料が乗る机。
 何故か可愛く着飾られた人体模型。
 綺麗に整えられ並んでいる奥で、一つだけ奇妙にこんもりと盛り上がったベッド。

 そんなやや異質さが漂う空間――保健室に踏み入るなり、日向春樹は額に手をついた。
 無意識にこぼれ落ちた呟きにも力がない。それは呆れたからかもしれないし、半ば予想通りで諦めかけていたからかもしれない。
 そのどちらなのか自身でも分からないまま、春樹はツカツカと足速にそのベッドへ歩み寄った。

「すぴー」
「すぴー、じゃありません!」

 25にもなって何を可愛らしい寝息を立てているのだと、反射的に声を荒げながら思い切り掛け布団を引きはがす。
 思いのほかあっさりとあらわになったベッドを見下ろすと、そこには一人の青年が横たわっていた。
 白衣を身に纏った彼はこの部屋の主であり――春樹が頭を痛めている原因の一つでもある。

 支倉俊。
 保健医としてこの学園に籍を置き、日々保健室の奥のベッドを占領している男性だ。

「さむーっ!?」

 突然外気に触れたからだろう。
 暗いトーンの赤色の髪を揺らし、支倉は勢いよく上半身を飛び起こさせる。
 その拍子にぎしりとベッドのスプリングが音を軋ませ、わずかに埃が舞う。
 それらの一連の動きを淡々と眺め、春樹は深々と息を吐いた。

「……支倉先生」
「んんー? ……あぁ! おはよう、春樹くん」
「おはよう、じゃありません。また仕事をサボって……!」
「びっくりしちゃった。意外に強引なのね」
「話を聞いてください!」

 目くじらを立てる春樹に対し、支倉はヘラヘラと、いっそ無邪気とも言える笑みを浮かべるばかり。

 この学園の管理人代理――といっても春樹自身の責任や仕事は大きなことではない――としては、ここまで堂々と寝られてはやはり気になるというもの。
 保健医なので授業をするわけではないが、それにしたってまだ勤務時間内のはずだ。
 取らなくていい授業の合間に時々こうして様子を見に来るけれど、春樹の知る限り、寝ている可能性の方が高いというのは一体どういうことなのか。

「まあまあ」
「まあまあじゃありません」
「どうどう」
「どうどうでも」
「うんうん、落ち着きなって。それより大丈夫? 眉間にシワ寄ってるよ、ぎゅーって」
「わ、ちょ、誰のせいですかっ」

 眉間をぐりぐりと人差し指で押され、慌てて距離を取る――つもりが、反対に腕を引っ張り込まれた。

「!?」

 再び軋む、白を基調としたベッド。
 先ほどまで彼がここで寝ていたために、中はほんのりと温かい。

「今日はトクベツ。このベッドで寝かせてあげよう。俺の温もりつきだなんてプレミアだねっ、キャーうらやましいー」

 ふざけたような内容をふざけたように言いながら。
 半ば強制的に春樹をベッドに引っ張り込んだ支倉は、反対側からするりとベッドを降りる。
 しわくちゃになった白衣を軽く撫で、「ああよく寝た」などと言う始末だ。
 呆然としている春樹のことなどお構いなしである。

「はせ、」
「はいはい寝た寝た」

 訳が分からずにベッドから出ようとしたものの、あっさりと押し戻される。
 強引に出るのも気が引けて、春樹は困惑したまま彼を見上げた。
 彼の言動はいつだってヒラヒラと宙を漂い、つかみにくい。

「……どういうつもりですか? 僕、もうそろそろ行かないといけないんですけど……」
「春樹くんは焦りすぎだよね! ちょっとはお仕事も休みなさいって」
「……逆に支倉先生こそ仕事をしてください」

 職員が学生に言うセリフとは思えない。
 思わず呆れ半分にため息をつけば、何言ってんの、と彼は笑った。

「これが、俺の仕事だよ?」

 相変わらずヘラヘラとした笑みでこちらを見下ろす彼は、本当に楽しげに。

「頑張ることは否定しないけどね、色々ありがとーって思うし。けど無理は良くないとも思うわけ。みんなも心配するよ? 春樹くんが倒れても誰も得はしないって」
「僕は別に……」
「顔色も良くないし、うーん、さっき腕に触れたけどいつもより少し体温高いかな。夜もあんまり寝れてないんじゃない?」
「……」
「新しいことを始めれば、まあ、緊張もするだろうし疲れも溜まりやすいって。そんなわけで生徒が倒れないように事前に休ませるのも俺の仕事だと思うんだけど、春樹くんはどう思う?」

 何が楽しいというのか、彼はニコニコとこちらの顔を覗き込む。
 その視線を真正面から受け止めるには気まずいやら気恥ずかしいやらで、春樹としては言葉に詰まるほかない。

 いつだってそうだ。
 ふざけたような振りをして――実際、全力をもって真面目にふざけているのだろうが――彼はふいに鋭くこちらを見抜く。
 時には、春樹自身ですら気づいていないことまで。

 だから苦手なのだと、春樹は居心地の悪い思いで掛け布団を引き上げた。

「……仕方ないので仕事、させてあげます」
「あっれー照れてる? もしかして照れちゃってるのかな? かっわいー」
「うるさいですよっ」

 どうしてこう。どうしてこう!

「机の上に溜まっていたのは仕事の書類でしょう? 僕が休んでいる間に片付けといてください!」
「うわああ目ざとい!?」
「何とでも言ってください」
「照れちゃってもう」
「黙ってください!」
「何とでも言えって言ったのに」
「知りません、聞こえません、もう寝ます、おやすみなさいっ」
「はいはい、おやすみー」

 意外にもあっさりと切り上げた支倉は、ぶらぶらと机の方に向かっていく。
 それを視界の隅でしっかりと見届けてからようやくホッと息をつき、春樹はヤケ気味に目を閉じた。
 賑やかだった支倉が黙れば、部屋はとたんに静かになる。

 一定に時を刻む時計の音。
 保健室独特の薬品混じりのにおい。
 身体にゆっくりと広がっていく温もり。

 それらは不思議と落ち着くもので――ほんの少し休むだけのつもりだったというのに、気づけば、引き込まれるように眠りに落ちていた。
 それは無理矢理ベッドに引っ張り込んだ支倉のように強引な眠りで、けれど、悪い気もしない。

「……よしよし。お疲れ様。さーって、仕方ないから書類の方も頑張りますかね」

 ――だからそんな呟きが聞こえたのは、ただの夢だったのかもしれない。


 はた迷惑で、訳が分からなくて、優しくて。
 そんな厄介な、

保健室の先生


(支倉先生、何でここでアイスなんて食べてるんですか!)
(あれ、もう起きちゃった? あ、ちょ、待って待ってハリセンはやめて!)




*****ここまで*****


※以下、中の人の呟き※


先日は中の人共々春樹がダウンしかけました。
その前に、保健室の話を書いちゃってもいいんだぜーと支倉先生の方から許可をいただいていました。
もう合わせてしまえと。
そんなこんなで、ちょっと頑張りすぎていた春樹を保健室で休ませていただくことにしました(笑

頭が固くて生真面目な春樹は、ちょくちょく支倉先生の様子を見て忠告しに行ってるのではないかと(´∀`)

書いていいよとは言われていたものの、書いたものはまだ見せていなかったので、
何かまずいところや訂正した方がいいところがあった場合は遠慮なくおっしゃってください。
下げるなり訂正するなりさせていただきます(`・ω・´)
支倉先生、出演ありがとうございました!



ひとまずトップバッターということでお話を投稿してみました。
もちろん自キャラオンリーでも構いませんが、こういう場ですし、
せっかくなら色んなコラボなんかもしてみると楽しいのではないでしょうか(*´∀`*)
みんなもじゃんじゃん投稿してみちゃうといいと思います、うへへへヽ(´∀`*)ノ

あと投稿されたお話の感想等は、コメント欄に書くといいのではないかなと。
感想もらえると、書いた人も嬉しくなってますます頑張っちゃうのではないかなと。
そんなことを提案しつつ。
(いや、これはブログ記事なんでコメント欄といってもあれですが……)

以上、中の人の呟きでした。
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