【HCS】中塚里桜の動揺【番外④】

【HCS】=春樹ちゃんシリーズ

<設定>
「倭鏡伝の春樹がもしも女の子だったら」
・セガ春ラブコメディ
・高校生
・セーガ擬人化あり

<発端>
唯夜「セーガの擬人化がイケメンすぎてつらい。春樹君を女の子化したらセガ春書けるレベル」
あずさ「書いてください」

<執筆>
・執筆者:唯夜さま
・サイト名:Useal Night Sky
・URL:http://sky.geocities.jp/free_night_sky/UNS/top.html

<執筆者から一言>
唯夜「ごめんなさい


※本編とは直接関係ありませんが、女体化・擬人化等が苦手な方はご覧にならないようご注意ください。
 この注意を無視した文句は受け付けられませんのでご了承ください。



今までのログはこちら↓

♭1
慌しい朝。
♭2
「割と違和感」
♭3
唯夜さんオリキャラ、里桜ちゃん登場。
♭4
甘々セガ春ここに極まり。
#番外1
里桜と日向兄弟。
♭5
シリアスってきた(`・ω・´)
♭6
渚がカッコイイだなんて。
#番外2
里桜視点にて。
#番外3
あずさが乱入。大樹ウラヤマ。

■イラストログ
◆春樹とセーガ
◆大樹と里桜と、?

*****


 里桜は、自宅の暗室で黙々と作業をしていた。撮りためていた写真を現像していく。

「うん、やっぱり良い写真」

 自分が撮った写真に満足げに頷く。里桜が手にしている写真には、夕暮れの昇降口に立つ春樹が写っていた。



「大樹っ」
「うわっ、なんだよ」

 下校時間、生徒で賑わう通学路。周りの生徒と同じように大樹も帰宅しようとしているところだった。
 背後からのし、のし、のしと肩に腕を回し体重をかけてくる友人が数人現れる。

「なぁー大樹、昨日のお姉さん、彼女?」

 右側に陣取った友人がやけににやついた面持ちで話しかけてくる。しかしその友人は、大樹が何か答える前に別の友人に首根っこ掴まれ、引っ張られていった。大樹から少し離れた場所で、友人たちはこそこそと密談を始める。

「ダメだよ。大樹に色恋は期待できない」
「そうだな……しかしあのお姉さんとの関係如何では……」
「ああ、今後の大樹との付き合い方が変わってくるな」
「三十路まで童貞貫いて賢者になる仲間だと思っていたが……」
「やつはもう、俺たちと同じ志は持っていない」
「待て、結論はまだ早い。仮に大樹からの好意が友達程度のものだったとして」
「やつの思春期度は皆無といって過言ではない」
「ならばやつからのアクションはありえないわけだ」
「となると問題は……」
「ああ、あのお姉さんの気持ちだ」
「しかしどう確かめる……?」

 完全に置いて行かれた大樹。どうしていいかわからずおろおろしていたが、とりあえず彼らに話しかけることにした。

「あのさ、オレ……」
「ちょっと黙ってろ」
「今大事な話なんだ」

 あえなく一蹴された。

「告白させればいいんじゃないか?」
「ダメだ、やつの告白に友達以上の意味がないことは、関われば誰だってすぐにわかる」
「じゃあどうする」
「なぁ、これを言わせてみたらどうだ……?」
「……」
「「「なっ!?」」」

 いじける大樹を傍目に、どよめく友人数名。

「確かにそれなら」
「お姉さんのことも確かめられるし」
「あわよくば大樹の株も下がるっ!」

 そのうちの一人に対して「良く思いついたな」だとか「お前天才」だとか「我ら賢者同盟のエースだよ君は」だとか言いながら、皆一様ににやけた顔で大樹に向かってくる。

「もうオレ、帰っていい?」

 普段なら一緒に帰ろうと思うのだが、今日だけはちょっと嫌だった。しかし友人たちはそれを許してくれない。

「大樹くん」
「僕たち君の友人だよね?」
「? おう」

 何をいまさら、と思うようなことを聞いてくる。しかし大樹は深く考えず、当たり前だと胸を張って答えた。

「友人としてお願いがあるんだ」
「昨日のお姉さんに、これを言ってほしいんだ」

 友人の一人が、そっと耳打ちをしてきた。それがどんな意味か大樹にはわからなかったので、とりあえず聞いてみる。

「なんで?」
「大事なことなんだ。僕らの友人として、頼まれてくれないか?」

 何故だろう。やたら友人を強調してくる。

「う~、わかった」
「それでね、その後あのお姉さんがどういう反応したかも教えてほしいんだ」
「わかった、さっきのを伝えて反応を教えればいいんだな!」
「よろしく! あ、くれぐれも僕らの存在は言わないようにね」
「おう!」

 約束をすると友人たちはいつもの態度に戻り、普段と同じ帰り道の光景になった。
 ただ少し違ったのは、別れ際に里桜に伝えることをメモにして渡されたことだ。友人いわく「お前は忘れるから」だそうだが、あの程度ならいくら大樹だって忘れない。周りの人は自分を馬鹿にしすぎだ、と思う。
 ともあれ、頼まれごとは頼まれごと。家に荷物を置くと、大樹はそのまま里桜の家に向かった。



「さて、と。じゃあ写真を届けに行きましょうかね」

 撮った写真を現像したら、いつも春樹だけに届けている。見せるのは春樹と、もし彼女が見せていれば大樹。それくらいだ。
 なぜか、と問われれば、里桜は春樹しか撮っていないからだと答えるだろう。事実そうである。そしてそれ以外を撮ろうとは思わない。
 薄いビニールの袋にいくつかの写真を入れ、それをテーブルに置く。大樹に出くわす可能性を考えると作業着はかわいくない、よろしくない。

「着替えよ」

 とりあえず着替えようとしたときだった。

「りーおー!」

 家の外から大樹の声がする。

「大くんがここに来るわけがないじゃない」

 そんな錯覚に、自分も本気で好きになったものだと笑いがこみあげてくる。春樹のことばかり気にしてはいられないようだ。
 とりあえず作業着は脱ぎ、着ていく服を物色し始める。すると再び大樹の声が聞こえた。

「里桜ー、居ないのかー?」

 ――マジか。

「いるっ! いるいる!」

 本当に大樹がきていた。
 里桜は大慌てで玄関へと向かう。しかし途中で、着替えを済ませていないことに気がついた。

「どーしよ……ま、大くんだしいっか」

 里桜としてはものすごく不本意なのだが、大樹は何度色仕掛けしても応じない。反応もしていないのかもしれない。思春期男子としてどうなのかと思うが、そこは大樹の大樹たる所以だと考えることにしている。
 玄関にたどり着くと、里桜はそっと小さくドアを開けた。大樹には見せるに吝かではないが、玄関の前の道路を行き交う不特定多数の人々にこの姿を見られるというのは抵抗がある。里桜にも恥じらいというものがあるのだ。

「大くん?」

 開けたドアから顔だけをひょっこり出して、玄関の前を窺う。しかし玄関の前には誰の姿もない。
 ――帰っちゃったのかな。
 そこまで出るのが遅かったとは思わない。だが、二度も呼びかけられていることを考えるとその可能性は否定できなかった。

「里桜っ!」

 残念だ、と思い引っ込もうとした瞬間、扉が大きく開け放たれた。とたんに里桜の姿が外から丸見えになる。

「ひゃっ」

 人がどこにでもあるような一軒の家の玄関に注目するとも思えないが、里桜は咄嗟に腕で体を隠した。

「なにやってんだ?」

 そんな里桜の目線の下からにょっきりと大樹がはえてきた。

「だ、大くん! とにかく入って!」

 片手で大樹をひっつかみ、家の中へ放り込む。そしてその手でドアノブを握り、力の限りを尽くして閉めた。勢いよく閉められたドアはかなりの騒音をたてたが、今の里桜にそれを気にする余裕はない。手早く鍵を閉め、ようやく一息ついた。

「大くん、どこにいたの?」
「どこって、玄関の前。中々でてこねーからしゃがんで待ってた」

 ――だから見えなかったのか。

「そっか。それでなんで?」
「へ?」
「なんでうち来たのかなって。珍しいじゃない」
「あぁ! あのな、えーっと……」

 大樹にしては珍しく、何やら考え込んでいる。眉間にしわを寄せ渋面を作ったかと思うと、次には手を叩いて鞄をがさごそ漁りだした。

「……あいつらのことは言わない、オレの気持ちだと思って伝える」

 ――何かしら、大くんが考えるなんて……。
 大樹が何やらぼそぼそと呟くが、里桜はそれを聞いていなかった。ただ不思議だと思いながら考える大樹を見つめる。

「あった……!」

 大樹は何やらメモを取り出すと、神妙な面持ちで里桜に向き直った。

「里桜、お願いがあるんだ」

 いつになく真剣な面持ちの大樹に、里桜も居住まいを正して待った。

「……」
「……」

 メモを読みとっているのだろう。緊迫した間が空間を支配し、里桜は知らず固唾をのむ。

「………………」

 ついに大樹が口を開き、言葉を紡いだ。

「え?」

 予想外の言葉に、里桜は驚きを禁じ得ない。目を丸くし、しばし呆然としていた。
 ――ありえない、大くんがこんなこと……。
 驚愕に身を任せ、里桜は自分の体を抱きしめる。そして数歩後ずさった。

「大くん……今、なんて?」

 聞き間違いの可能性もある。もう一度言ってもらって、確認するべきだ。

「だから! えーと……『里桜の胸を揉ませて下さい』!」

 ――ええええええええええええええええええええええええええええええ!?
 聞き間違いようもない。確かに大樹が言っている。
 ――なんで、どうして、何があったの!?
 おかしい、大樹がこういう思考を持つはずがない。
 だが大樹もそういう年齢ではある。今まで興味を持っていなかったのが不自然なわけで、これは自然と言っていいだろう。しかしなぜ突然?
 ――あたしならいいと? 安くみられた?
 それは嫌だ。悲しすぎる。はたして自分はこの求めに応じていいのだろうか。ここは断固拒否するべきか。その場合、大樹は自分を嫌ったりしないのだろうか。
 ――春樹が居れば……。
 そこではたと気づいた。
 ――春樹が居ないから、うちに?
 大樹がそこまで計算するとは。これは確実に、そういうことだと考えてよさそうだ。問題は里桜が受け入れるかどうかであるが。
 ――愛があれば……良いのだけれど。
 そういう欲求を満たすためだけに求められるのなら、断りたい。大樹に確認してみたほうがいいのだろうか。いや、良いのだろう。

「大くん。あたしのこと好き?」
「へ? 好きだぜ?」
「それは、女性として? 友達として?」
「ん? んん~? どういういみ?」

 ――恋愛すらも理解していないの? ただ体を求めるだけ?
 そこに本来介在すべき気持ちと、その前後のあるべき関係を理解していないのはどういうことだろう。そこだけに興味を持つというのも、大樹ならあり得る気がしないでもないが……。

「まぁいいや、とりあえずオレ帰るなー」
「え?」
「だって用済んだし」
「は?」
「いやだから、あいつらに言えって……」

 そこまで言って、はたと口をつぐむ大樹。しかし時すでに遅く、里桜は全てを納得していた。

「あいつら?」

 まさか人に言えと言われたからか。だから言ったのか。こんなにも動揺させることを。
 ――まぁそれはいいわ。
 とりあえずここまでのつじつまは合ったのだから。大樹くんは大樹くんのままで、今回の一件は裏でなにかを画策する誰かがいる、と。

「誰かは知らないけど、許さないわ」
「里桜?」

 怒りのオーラを撒き散らす里桜に、今度は大樹が後ずさる。その姿に気がついて、里桜は我に返った。
 ――大くんは多分、騙されたくらいの感じでしょうね。
 理解せず受領した彼にも非はあるが、そこは惚れた弱みである。

「……ま、いっか。それより大くん。せっかく来たんだからあがってってよ」
「お、おう」

 里桜に引き連れられる形で、大樹は里桜の部屋に入っていった。
 その後、大樹が里桜に襲われかけたのは言うまでもない。


*****


あずさ「胸を揉ませてくださああああああい
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四字熟語:好色生活
(※二つ名メーカー、脳内メーカー等による結果)
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