【HCS】強引なヒト【番外】

2011/01/08 Sat 10:54

【HCS】=春樹ちゃんシリーズ

<設定>
「倭鏡伝の春樹がもしも女の子だったら」
・セガ春ラブコメディ
・高校生
・セーガ擬人化あり

<発端>
唯夜「セーガの擬人化がイケメンすぎてつらい。春樹君を女の子化したらセガ春書けるレベル」
あずさ「書いてください」

<執筆>
・執筆者:唯夜さま
・サイト名:Useal Night Sky
・URL:http://sky.geocities.jp/free_night_sky/UNS/top.html

<執筆者から一言>
唯夜「ごめんなさい


※本編とは直接関係ありませんが、女体化・擬人化等が苦手な方はご覧にならないようご注意ください。
 この注意を無視した文句は受け付けられませんのでご了承ください。



今までのログはこちら↓

♭1
慌しい朝。

♭2
「割と違和感」

♭3
唯夜さんオリキャラ、里桜ちゃん登場。

♭4
甘々セガ春ここに極まり。


******


あたしが初めて彼と出会ったのは、春樹の家に初めて上がった日。私にとって忘れられない一日だった。


「おっじゃまっしまーす」

今日、あたしは友達の家に遊びに来ている。彼女とは同じクラス委員で知り合った。
彼女の名は日向春樹。一目見たとき、あたしは彼女を『完成された美』だと思った。

初めて彼女を見たのは、一学期最初の委員会の時。夕空の光が射し込む教室でだ。
委員会は退屈で仕方がなかった。委員長と副委員の紹介、活動内容の説明なんて、あたしにはどーでもよすぎて欠伸がでる。寝よう、と思った。
偶然だった。机に突っ伏す前、あたしは偶然外を見た。けれど外なんて全く見えなかったのだ。隣に座る、日向春樹という一人の女生徒であたしの視界は一杯だった。
艶やかな黒い髪は、やがてここにも訪れる夜空のよう。それは空から橙の光を受けて、星を散らしたような輝きを振りまいていた。 顔立ちは人形なんかよりもずっと整っていて、白磁のように透き通った白い肌はシルクよりも滑らかにみえた。
赤い唇は清楚な雰囲気の中で一際異彩を放つほど妖艶。そこからすっきりとした鼻筋を目線で駆け上ると、物憂げに伏せられた二重の双眸が、何とも形容しがたい色香を放つ。睫ははっきりと目のラインを示し、彼女の瞳が放つ官能的な色香に理性の光を加えていた。
そして整えられた眉が悩ましげに形どられているのを見て。

「何、考えてるの……?」

あたしは思わず、声を掛けていた。

「あなたは……?」

彼女は伏せていた目を丸くして、少しだけ首を傾げた。その動きにあわせて彼女の髪がさらさらと揺れる。

「……?」

そんな姿にも見とれて惚けたようになにも言わないあたしに、彼女は困ったように微笑んだ。

「あ、あのっ、あたし、1-Bの中塚里桜って言います」

微笑みにつられて我に返る。まくし立てるように自己紹介をした。

「1-Aの日向春樹です。里桜ちゃん、でいいかな?」
「あ、呼び捨てがいいな、なんて……あたしも、春樹って呼ぶ、から」

次第に尻すぼみになりながらも、何とか言い切った。この時は彼女に神々しさすら感じていて、とても彼女が遠い存在に見えていた。
だから、彼女の次の言葉は予想外だった。現代の天文学者に天動説を力説された気分だった。

「晩ご飯」
「へ?」
「晩ご飯、なに作ろうかなって、考えてたの」
「あぁ」

そういえばなに考えてたか聞いたっけ。ふと思い出したが、そんなことより目の前で赤面する彼女の可愛さが頭を占めていた。

「あの時の春樹の可愛さは異常だったよね」
「いきなりなに言ってるの」
「ちょっと春樹と初めて話したときのこと思い出してさ」
「あのときの里桜、変な子だった」
「春樹も大概だよ? 晩ご飯、なんてさ」
「そうね」

春樹の部屋で、互いに顔を見合わせて笑う。ひとしきり笑うと、春樹はゆっくり立ち上がった。

「お茶入れてくるね」
「あ、ありがとー」

ちょっと待ってて、と言ってドアノブに手を掛けた春樹は、何かを思い出したように動きを止めた。

「弟、いるんだけどね? もし出会ったら、その……気をつけて」
「なして?」

ドアを開け、半歩踏み出したところで思案する春樹。

「うーん、なんて言うかね、すごく」

いったんそこで言葉を切ると、彼女はこちらを振り向いて苦笑を浮かべた。

「バカなの」

それだけ言うと、彼女は部屋を出ていった。
一人残った私は、背もたれにしていたベッドになんとなく座ってみた。

「お、すごくふかふか」

そっと寝ころぶと、顔がにやけた。部屋漁りをしてやろう、と思ったのだ。

「まずはあの机か……っ」

机にねらいを定めて起きあがろうとしたとき、部屋の外からドタバタと喧しい足音が聞こえてきた。それがこちらに近づいていたので、里桜は慌てて上体を起こす。
ノックなしにドアが開かれたのは、その次の瞬間。
入ってきたのは春樹ではなく、日に焼けたような茶色い髪をした少年だった。ぱっちりとした大きな目。余りある元気を表したかのように大きく開かれた口。小柄な体全体から溢れ出る幼さ。

「かわいいっ」

それらすべてが、里桜の心を奪っていった。

「春姉っ」

しかしその少年、何故か止まらない。いやむしろ飛び込んできている。咄嗟に抱きすくめたが、受け止めきれなかった。勢いのまま春樹のベッドに押し倒される。

「あれ、違う」

押し倒したままきょとんと里桜を見つめる少年に、頬を赤らめながら里桜は告げた。

「いきなりだし、かなり強引だけど……」

両手で彼の両頬に触れ、潤んだ眼差しで見上げる。

「君なら、いいよ?」
「飛びつくなっていつも言ってるでしょっ!」
「いたっ」

すぱん、と小気味よい音が響く。

「里桜も人の弟を誘惑しないの」

後頭部を痛そうにさする少年が、里桜から離れていく。開けた視界の先にはハリセンを持った春樹が立っていた。


それが、大くんとの出会い。
私が生まれて初めて一目惚れを経験した日だった。


******


あずさ「里桜ちゃんの日向兄弟の褒めっぷりは異常^q^」
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