【HCS】オリキャラのターン【③】

【HCS】=春樹ちゃんシリーズ

<設定>
「倭鏡伝の春樹がもしも女の子だったら」
・セガ春ラブコメディ
・高校生
・セーガ擬人化あり

<発端>
唯夜「セーガの擬人化がイケメンすぎてつらい。春樹君を女の子化したらセガ春書けるレベル」
あずさ「書いてください」

<執筆>
・執筆者:唯夜さま
・サイト名:Useal Night Sky
・URL:http://sky.geocities.jp/free_night_sky/UNS/top.html

<執筆者から一言>
唯夜「ごめんなさい


※本編とは直接関係ありませんが、女体化・擬人化等が苦手な方はご覧にならないようご注意ください。
 この注意を無視した文句は受け付けられませんのでご了承ください。



今までのログはこちら↓

♭1
慌しい朝。

♭2
「割と違和感」



*****

委員会が終わり、教師に頼まれた仕事を済ませると、もう空は夕方すら通り過ぎようとしていた。

「すっかり遅くなっちゃったなぁ……」

昇降口から外を見て、春樹は一人ため息をついた。
上履きを脱いで、下駄箱のローファーと入れ替える。その際、何かが一緒に落ちてきた気がするが、心当たりがあったので無視。

「はーるーきー? なんか落としたよぉ?」

とはいかないらしい。

「知らない」
「でもこれ、あんたの靴箱から出てきたよね?」

それを拾ったらしい女生徒が、春樹の前に躍り出る。大樹より数センチは高いであろう身長。栗色のショートカット。すらりとした健康的な体つきの中で、異様に目立つ胸。間違いなく中塚里桜だ。彼女は隣のクラスで春樹と同じ委員長を務めている。

「しーりーまーせーん」
「まぁいいわ。これは私が持っててあげる」

読みたくなったら言いなさい。そういって彼女は歩き出した。春樹はそれに続く。

「そーいえばあんた、昼休みになんか面白いことやってたわよね?」

ビクッと肩が跳ねる。里桜の顔を窺うと、にんまりと笑っていた。咄嗟に顔を反対に向ける。

「さっきと違ってずいぶん正直ね、体が」
「しっ知らない!」
「ホントかにゃー?」
「……知らない、もん」
「にゃーん」
「っ!」

思わず顔を上げると、里桜は驚いた顔をした。しかしその表情は徐々に変化し。

にやぁり。

「体は正直ねぇ」

先ほどの台詞を繰り返し、里桜は楽しげに笑う。
それからしばらく、二人は黙って歩いた。

「……見てたのね?」
「ん? あぁ、たまたま」
「……」
「……」

再び無言。窓から明かりを漏らし、夕食の香りを漂わせる住宅街を、二人は急ぐでもなく歩く。春樹はいつしか昼休みの一件を見られた恥ずかしさを忘れ、夕食の献立を考え始めていた。
――今日の晩ご飯、何にしようかなぁ。
昨日は酢豚で、一昨日はメザシ、その前はアジを出した。
――冷凍庫に鶏のもも肉があったわね……なら。

「決まった?」
「なにが?」
「晩ご飯。考えてたっしょ、いま」
「何でわかったの」
「あんたの頭ン中、ほぼ家事でいっぱいじゃない。あたしあんたのこと、たまに女子高生じゃなくてホントに主婦なんじゃないかって思うよ」

あながち間違っていない、と自分で思うくらい、自分は家事に染まっている。それこそ傍目から主婦だと思われるほどに。

「ま、そのぶんいー嫁さんになるんだろうけど」
「先のことはわからないよ」

言いながら、苦笑いが出た。
将来なんて考えたこともない。自分が結婚するだなんて、特に。恋人だっていた
こともないのに。
――恋人と言えば、兄さんはどうなんだろう。
春樹や大樹に王を譲るというのは、恋愛沙汰も関係しているのだろうか。
――ただ面倒なだけってほうが有力かな、あの性格だし。

「あんた、そういう話ちっともないわよね」
「そういう話って?」
「男よ、オ・ト・コ! 引く手あまたじゃない」
「そんなことないと思うけど……」

里桜は他人を持ち上げすぎる。春樹からすれば引く手あまたなのは里桜の方だ。
やや気が強そうだが、均整のとれた顔立ちをしているし、なにより抜群のプロポーションだ。男子の目を引かないわけがない。

「じゃあ」

その里桜が、なにやらごそごそと鞄を探り始めた。取りだそうとするものには何となく予想がつく。

「これは何なのよ」

やはり春樹の予想通りだった。里桜は下駄箱にあった手紙を突きつけている。

「果たし状」
「どこの世界にこんなぷりてぃーな果たし状があるのよ!」

確かにデザインは果たし状に相応しくなく愛らしい。しかしどうして果たし状ではないと言えようか。
そんな思いを込めて里桜を見ていると、彼女はうなだれつつ手紙をしまった。

「あんたとは一度、腹を割って話す必要がありそうね」

その必要を春樹は感じない。

「と、いうことで」

再び鞄をごそごそと探る里桜。今度は心当たりもなく、春樹は不思議そうに見つめた。
程なくして出てきたのは小さな荷袋。それを春樹の目の前にぶら下げ、満面の笑みで彼女は言い放った。

「今晩、泊めて?」

場所はすでに、日向家の門前だった。


「ただいま」
「おっじゃまっしまーす!」

玄関からあがると、ドタドタと喧しい足音が耳を打った。誰と問う必要もない。
この家はほぼ春樹と大樹の二人暮らしであるし、たまに来る家族親類にここまでうるさく走り回る輩はいない。

「春姉おかえりっ」
「飛びつくな」

相変わらず、大樹の飛びつき癖は治っていない。わずかだが春樹よりも大きいのだ。支えきれるわけもない。

「おっと、久し振りだね、大くん」

いつも通り大樹の突進を横に避けると、後ろにいた里桜が彼を受け止めた。

「身長、少しは伸びた?」
「全然。この子相変わらず牛乳飲まないのよ」

きつく抱きしめられて答えられそうにないので、代わりに春樹が答える。ややため息混じりになったのは、日頃の苦労がにじみ出たからだろう。
息苦しくなったのだろうか、大樹がもがき始めた。よく見れば里桜の背中をタップしている。

「女性の胸に溺れて死ねるなんて、男として本望でしょう? 堪能してお逝きなさい」
「人の弟を殺すなっ」

すぱん、という乾いた音とともに、どこからか取り出した春樹のハリセンが里桜の後頭部を打つ。
それに乗じて抜け出した大樹は、苦しそうに肩で息をしていた。

「あら、もうギブアップ? 男の子のくせに不甲斐ないのね」
「くそー、負けねぇ!」
「煽るな、ノセられるな!」

すぱぱん。今度は里桜と大樹に二連打だ。しかも大樹への一撃は特大で、彼の意識をきれいに刈り取っていた。

「気絶しちゃった?」
「みたいね。セーガに運んでもらうわ」
「あのお手伝いさん?」

里桜はこれまでも何度か日向家に泊まったことがあり、セーガとも面識があった。もちろん人型の。その時に春樹のことを御主人と呼んでしまったため、使用人ということで通っている。

「そう。呼んでくるから部屋で待ってて」

春樹は足早にリビングへ行くと、早速セーガを呼んだ。

「使用人になるのも久し振りだな」
「ごめんね、いつもお願いしちゃって」
「御主人の頼みなら、いい。それにこれは自分で蒔いた種だ」

それだけ言うと、セーガは大樹の元へ向かっていった。
一人残った春樹は、お茶を淹れようとキッチンに入る。ケトルでお湯を沸かしながら、冷蔵庫の中身を確認した。

「ちょっと足りないかも……」

春樹と大樹だけなら十分なのだが、今日は里桜もいるしセーガも一緒に食べるだろう。だとするとやはり足りない。

「買いに行こう」

お湯はまだ沸いていない。急須に茶葉を入れ、湯飲みを出しておく。それを済ませると、メモ帳を取り出して買い物リストを作り始めた。

「鶏肉はもう一枚、キャベツと……よし」

完成したメモと財布、折り畳んだエコバックをポケットに突っ込み、お湯を入れた急須と湯飲みを盆で運ぶ。

「お茶だよー」
「お、ありがと」

春樹の部屋では、里桜かくつろいでいた。彼女は盆を受け取ると、早速湯飲みにお茶を注ぐ。

「私ちょっとお買い物行ってくるね」

お茶を啜る里桜に告げ、春樹は立ち上がった。

「一息ついてからでいーんでないの?」
「まだ上着脱いでないから、先に行こうかと思って。スーパーも閉まっちゃうし」
「そか、行ってらー」
「大樹が起きても変なこと吹き込まないでよね」
「わかってるよ」

自室の戸を閉め、玄関に向かう。忘れ物はない。

「御主人?」

声をかけられたのは、靴を履いている最中だった。大樹を運び終えたセーガが向かってくる。

「ちょっと晩ご飯のお買い物。セーガも来る?」
「……夜が早いからな。一人歩きは危ない。お供しよう」
「じゃあちょっと待ってて」

履きかけた靴を脱いで、セーガの服があるクローゼットに向かう。そこから彼のジャケットとマフラーをひっ掴むと、すぐに踵を返した。

「はい」

ジャケットを手渡す。セーガが無言で着込むと、今度は背伸びして彼の首にマフラーを巻いた。

「行こっか」
「御意」

二人は並んでスーパーへ向かっていった。


一方、残された里桜は……。

「うむぅ……見たい。でも……ぬぅ」

例の手紙を前に、一人悶々としていた。
ざっと見たところ春樹の部屋に真新しいものはなく、手紙に興味をそそられたのだ。

「でも勝手に見たら春樹怒るよねぇ」

以前のものなら誤魔化しようもあるが、これは未開封。誤魔化すなんてとうてい無理だ。

「うぅ……」

結局、開封することも興味をそらすこともできず、一人唸る里桜であった。


「うー……」

隣の部屋から聞こえる唸り声に、大樹ははたと目を覚ました。

「あれ、オレいつの間に寝たんだろ」

まぁいっか、と自分が口にした疑問を放り投げ、大樹はベッドから立ち上がった。途端に腹の虫が自己主張を開始する。

「腹減った……春姉?」

ふらふらと歩き、隣の部屋をノックする。そういえば里桜がきてたっけ、と思い出すが、だからといってかまう大樹ではない。
ドアノブが回り、春樹の部屋の戸が開く。そこから顔を出したのは春樹ではなく、里桜だった。

「あ、大くん起きたんだ」
「今起きた。春姉は?」
「お買い物だって」
「うぇー、じゃあ飯はまだまだか」
「そうだねぇ……。あ」

何かを思いついたかのように里桜が手を叩いた。そのまま大樹を部屋に引き込む。戸を閉めてその場に大樹を座らせると、里桜は真剣な面持ちで口を開いた。

「ねぇ大くん。春樹が手紙とか隠してる場所、知らない?」
「手紙? そんなのどーすんだ?」
「大事なことなのよ。知らないかな?」

最初は怪訝な顔をしていたが、大事なことと聞いて思案顔になる大樹。記憶を呼び起こす。

「うー、あ!」
「心当たりあった?」
「確か机の、二番目の引き出し」
「ここ?」
「そう」

大樹が示した場所を里桜が引っ張るが、開かない。鍵がかかっているようだ。鍵の所在まではさすがに大樹も知らない。

「鍵がかかってるとなるといよいよ怪しいわね。鍵はどこにあるか知らない?」
「……わかんねぇ」
「手詰まりかー」
「大事なことって何だったんだ?」

春樹のベッドに倒れ込んだ里桜に問う。すると里桜は二番目の引き出しを指さしてこう言った。

「春樹に宛てたラブレターがそこに入ってると思うのよね」

あっさりと、悪びれもせず。

「それやっちゃダメじゃねーの?」

人の手紙を勝手に読むのはいけないことだ、というのは大樹でも知っている。

「友情特権」

里桜はこれまた堂々と言い放った。それに、と付け足す。

「大くんも思春期なんだからキョーミあるでしょ? 男と女の関係」
「べ、べつにキョーミねぇし!」

寝ころんだまま艶めかしく微笑まれると、なぜか鼓動が早くなる。それを隠したくて慌てて言ったので、少しどもってしまった。

「ふーん、そっかぁ」

対する里桜は、少しつまらなさそうにそう呟いただけ。その後自分の鼓動が響いてしまいそうな沈黙が訪れ、大樹は内心冷や汗をかいた。出て行くタイミングがわからない。空腹もいつの間にか気にならなくなっていた。

「そういえば」
「ん?」

沈黙は、里桜が破った。

「まだ牛乳飲めないんだって?」
「あんなもん一生のまねーし!」
「どうして? 美味しいのに」

唇をとがらせてそっぽを向いた大樹の視界の隅で、里桜がベッドから降りる。そのまま四つん這いで大樹に寄ってきた。

「お、美味しくねーよ」

ちらりと前を向くと里桜の顔が間近にあり、大樹はあわてて後ずさる。しかしすぐに背が壁に当たり、逃げ場を失った。

「試しに飲んでみる? あたしのでよければ」

す、と里桜の手が大樹の頬をなでた。体が自分のものではないかのように身動きがとれない。

「大くんが手伝ってくれれば出せるよ、母にゅ」
「大樹に変なこと吹き込むなって言ったでしょー!」

そのハリセンの音と春樹の絶叫は、ご近所中に響いたそうな。


*****



あずさ「里桜さんエロイ」
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二つ名:囁(アビス)
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四字熟語:好色生活
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