【タルタロス】絵茶宿題【腐向けだわさ】

先日、タルタロス関連で絵茶に参加させていただいた際、

「あずささんはこのログを小説化してください(ドーン)」と言われました。

ま、まあね……!
絵茶参加といっても、あずささん、絵、描けないからね……!
基本、ひたすら野次馬になってましたからね……!

そんなわけで、追記から宿題を投下です。


※注意※

・腐向け
・元ネタは絵茶ログ
・しかし大分捏造あり
・あずさの捏造のせいでソマが乙女
・あずさの捏造のせいでロト様が偽者
・なんか恥ずかしい
・前回、前々回と比べるとちょっと長め
・それすなわち「まとまってない」


以上のことが大丈夫な方は、追記からどうぞ。



****ここから******


 最近、どうもおかしい。

「ソーマ? どうした、調子悪いのか?」
「……いえ。大丈夫ですよ、シュバルマンさん」
「でも最近、ボーッとしてること多くないー?」
「そんなこと……」

 シュバルマンやピンコに顔を覗き込まれ、ソーマは緩く苦笑する。
 自覚がないわけではなかったので強く否定することもできなかった。
 今も確かにぼんやりしていたし、それでいてどこか落ち着かない気持ちでいたのも事実である。
 しかし周りに心配をかけたいわけではない。
 しっかりしなければと自分を奮い立たせ――。

「ソーマさんは、頑張りすぎる節がありますからね。時には休むことも必要ですよ」
「だ……大丈夫ですっ!」

 ――しまった。
 突然背後から現れたアエルロトに思わず強い口調で答えてしまい、ソーマは慌てて口をつぐむ。
 びっくりしたー、とピンコが目を丸くしているのが視界の隅で見えた。

「すいません、突然割り込んでしまいましたね」
「い、いえ……」

 柄にもなく大きな声を出してしまったことが何故か無性に恥ずかしい。
 そのせいでなかなか顔を上げることができない。

「ですが、やはり顔色が……」
「!」

 先ほどのシュバルマンやピンコのように顔を覗き込もうとしたアエルロトから、ソーマは反射的に距離を取っていた。

「ちょっと……すいません、用を思い出しましたので……っ」


***


 ――不自然だっただろうか。
 ――不自然だっただろうな。

 自問自答し、ソーマは深くため息をついた。
 用など何もない。
 ただ外の風に当たって頭を冷やしたかった。

 最近、ふいに感情がかき乱される。
 遠征隊のメンバーは相も変わらず賑やかで、個性が強いもののみんな根は優しい人たちばかりだ。
 心配することも不安に思う理由も、何もないはずだというのに。
 それでも何故か――先ほどのように、唐突にどうしていいか分からなくなる時がある。
 普段は素知らぬ振りでやり過ごせるものの、このままでいいはずがなく、どうしたものかと考えるたびに他が疎かになってしまう。
 それはまるでもどかしい迷路のよう。

「……なかなか戻らないので、皆さんが心配していますよ」
「……」

 背後から声をかけてきたのはアエルロトで、その声を聞いた瞬間、再び心がさざめいた。
 ソーマは一呼吸置き、ぎこちなく苦笑を貼り付けて振り返る。

「すいません。もう少し、考えたいことがありますので」
「ご一緒しても?」

 一瞬動揺したが、ソーマはそのわずかな動揺を自分の中で飲み込むことにした。
 彼だって遠征隊の一員だ、嫌な顔を見せたくはない。
 しかし――彼に近づかれると今の不安定さがますます強くなるようで、正直、少し怖い。

「……すいません」

 申し訳なさを滲ませながらも努めて冷静に言うが、アエルロトが揺らぐ気配はない。
 ただ黙ってじっと視線を送ってくる。

「……見ないで、くれませんか」

 捕まりそうになる視線からソーマは逃げるように顔をそらす。
 失礼なことを言っているという自覚はあった。なんて子供じみたことを言ってしまったのだろうという後悔もあった。
 それでも彼の――何もかもを飲み込んでしまいそうな闇色の瞳には全て見透かされそうで、それがやけに怖かった。

「これは失礼しました。確かにぶしつけに見過ぎたかもしれません」

 顔をそらしたソーマからはアエルロトの表情は見えない。
 それでもきっと彼はいつものように笑っているのだろう。
 それが簡単に知れそうなほど、自分に対する彼の口調はいつも通りのものだった。

「それでは私はお先に失礼します」

 そう言って動く気配があったと同時に、ふわりと背に温かさと重みが増す。
 とっさのことで何が起きたか分からなかった。
 ハッとして思わず顔を上げれば、アエルロトは何でもないことのように笑って。

「今日は冷えますから、ソーマさんも早めにお戻りくださいね」
「え……あ……はい……」

 向けられた笑顔とかけられた外套に目が丸くなり、言葉が上手く出てこない。
 思った以上にあっさりと身を引いたアエルロトの背中が少しずつ小さくなっていく。

 ――行かないでほしい、だなんて。

 唐突にわき起こった感情にソーマは自分で混乱した。
 あれほど失礼な態度を取っておきながら、いざ離れて行かれると奇妙な寂しさを感じるだなんて一体どれだけ矛盾しているのか。
 困惑しながらも――じんわりと体に伝わってくる温もりに比例するように、寂しさにも似た不安定な気持ちが揺らいでいく。

 しかし、それでも。

 ソーマはこの気持ちを言葉にすることもできず、またその場から動くこともできなかった。
 そんな自分が歯がゆくて、悔しくて、情けなくて――ソーマはぎゅっとアエルロトの外套をつかんで引き寄せた。

「……ソーマさん」
「……え?」

 途方に暮れた表情のまま声につられて顔を上げれば、なぜか目の前にはアエルロトの姿。
 いつの間に、いやそれよりも何故戻ってきたのかと驚きにぱちぱち瞬くと、彼はクスリと笑いをこぼした。

「やはりここは寒いです。一人で考えたいこともあるでしょうが……それならせめて、宿でゆっくり考えましょう」

 そう言ってソーマの手を取り、再び宿に向かって歩き出す。
 ソーマは今度こそ逆らわなかった。
 突然のことすぎて逆らおうという考えも浮かばなかった。

(……多分、温かいからだ)

 急に照れくさくなったソーマは自分で自分に言い訳する。
 別に自分が素直になったわけではない。
 ただ自分より大きな手から伝わる温もりと、全身を包む外套の温もりが自分の意固地な気持ちを少しばかり溶かしてしまったのだ。
 その証拠に、外套を揺らしていく風は確実に冷たい厳しさを増しているものの、頬と握られた手は不自然なほどに熱を持っている。

 ふいにアエルロトの足が止まった。
 身長差のせいでやや下を向くように歩いていたソーマは気づくのに一歩遅れ、その勢いで彼の背に額を打ってしまう。

「アエルロトさん?」

 きょとんとして彼の名を呼ぶと、呼ばれた彼はこちらを見ず、ゆっくりと空を見上げていた。

「今夜は星が綺麗ですね」
「……わ」

 つられて見上げたソーマは知らずに感嘆の声を漏らしていた。
 瞬いては消え、再び瞬きを繰り返す数多の星に自然と笑みが浮かんでくる。
 自分は一体何を悩み、ずっと下を向いていたのだろうか。
 そのせいでこれほどの星空にも気づかなかったなんてもったいなくて仕方ない。

「素敵ですね……」
「ええ、本当に」
「……アエルロトさんのおかげです。僕一人じゃ、きっと気づきませんでした」
「ハハハ、それは良かった。私でもソーマさんのお役に立てたのなら何よりです。……ただ……」
「え?」

 唐突に握られていた手に力が込められた気がして、ソーマは動揺に声を上げた。
 反射的にアエルロトを見れば、あの闇色の瞳がじっとこちらを見ていることに気づく。
 気圧されそうなほどの真剣さに息を呑んだ。
 照れくささとほんの少しの居心地の悪さ、それらがこみ上げて顔を逸らそうと思うものの――上空の闇夜にも負けない漆黒の瞳に見入られ、動くこともままならない。

「あ、アエルロトさん……?」

 どれくらいの時間が経ったのか。
 おそらくそう長い時間ではない。
 しかしソーマからすれば気が気でなく、ようやく絞り出した声も笑えるほど掠れてしまう。

「……何でもありません。すいません、このままでは冷えてしまいますね」

 ――だというのに、目の前の彼は息苦しいまでの空気をまるでなかったかのようにゆるりと笑う。
 それが何だか悔しかった。

「……あ、あの。アエルロトさん」

 ソーマは立ち止まったまま、進もうとする背にそっと声を投げかける。
 あんな表情をされて何も感じないほど子供ではない。あんな意味深なことを言われ、「はいそうですか」と大人しく引き下がっていられるほど大人でもない。

「はい、何でしょう?」

 アエルロトはこちらに背を向けたまま。
 頼もしくもあり、いっそ憎らしくもある背中。

 その向こうで彼は一体どんな表情をしている?
 何を考えている?

 迷いがなかったと言えば嘘になる。
 しかし溢れてきた感情を止める術を知らず――ソーマは、その背中にぎゅっと抱きついた。

「……どうしました? ソーマさん?」

 ――だって、ソーマは気づいてしまった。
 こんなに不安定な気持ちになるのも、それでいて離れてほしくないと思ったのも、彼の温もりに安心したのも、こんなにも星が綺麗に見えるのも――それは誰でもない、アエルロトが傍にいるからだと。

「もう少し……一緒に、星を見ません、か……」

 震える声で呟けば、

「……いいですよ。しかし……」

 彼に回していた手がほどかれる。
 拒絶されただろうかと体が硬直した瞬間、振り返ったアエルロトに先ほどよりも強く抱きしめられていた。

「……っ!?」

 温かくて、苦しくて、信じられなくて。
 息が、詰まる。

「やはりここは寒いですから、私の部屋で一緒に見ましょう」

 耳元でそっと呟かれ、その行為に反射的に目を見張る。
 そんな自分を面白がったのか、アエルロトが意地の悪い笑みを浮かべてみせた。
 しかしこちらを射抜く瞳には今まで以上に優しさがにじみ出ている。

 呆然とした頭に遅れて理解が伴ってくると、その感触と内容、両者のくすぐったさがじわじわとこみ上げてきた。
 そのくすぐったさにソーマは軽く身をよじり、彼の腕の中、それを誤魔化すようにアエルロトの上着を引き寄せる。
 引き寄せた上着で緩みそうになる口元を隠しながら、ソーマは「はい」と小さく呟いた。



*****以下、おまけ*****



「あの」

 宿に向かう途中、背後からそっと声が追ってきた。
 ちらと振り返れば、寒さのせいか別の熱のせいか、わずかに頬を上気させたソーマがこちらを見上げている。

「アエルロトさん、さっき何か言いかけていましたよね。あれ、結局何だったんですか?」
「さて、何のことでしょう」

 クスクスと笑えば、ソーマは若干不満そうに眉を寄せた。
 そんな些細な仕草でさえアエルロトを楽しませる。
 そのことを目の前の少年は分かっているのか、いないのか。

 軽くとぼけてみても疑惑の視線からは逃れられないようだったので、そうですねぇ、とアエルロトはそっとひとりごちた。

「星を眺めるのも素敵ですが……」
「?」
「あなたのことがもっと知りたい。――そう言おうと思っただけですよ」

 声のトーンを下げ、相手の顔に近づけるように囁いた瞬間、パッとソーマの表情が朱に染まった。
 何か言いたげに表情を歪め、しかし言葉にならなかったようで――「ああもう」と困ったようにかぶりを振る。

「……アエルロトさんは、意地悪です」
「そんなことありませんよ」
「……あります」
「心外ですね。……私の方こそ、そう言ってやりたいくらいです」
「え?」

 きょとんと不思議そうに大きな瞳を瞬かせたソーマに、アエルロトは目を細めて微笑した。

 ああ、もう。
 ――彼の一挙一動に自分らしくもなく身も心も振り回されてしまうということを、どうしたら彼は分かってくれるだろうか。



*****ここまで*****





はい、というわけで絵茶に付き合ってくださった皆様、(もしくは関係なくここまで読んで下さった方も)ありがとうございました!
あずさは雰囲気ブレイカーだということがこれにて発覚しました。
皆様のロトソマを汚していないといいのですが……ああぅうぅ。

ちょっとソーマさんを乙女にしすぎた気もして心配です……
というか感情の動きが不自然かも? とかとか、まあ、心配は尽きずww

が、その、ええと、
これからもお付き合いしてくださると嬉しいです・゜・(PД`q。)・゜・
スポンサーサイト
Home |  Category:二次or三次創作 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback0
Tracback

Tracback URL :

Comment

    
Home   Top
 
プロフィール

あずさ

Author:あずさ
武器:シャーペン、ノート、パソコン、ポメラ
レベル:29
二つ名:囁(アビス)
あだ名:エゴイスティックスケコマシ
四字熟語:好色生活
(※二つ名メーカー、脳内メーカー等による結果)
アイコン:朧夜緋雨さまから

最新記事
カテゴリ
呟き、囁き、ぼやきに寝言
最新コメント
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード