084:鼻緒

何を思ったのか、追記から烈火の炎の小噺です。
100のお題(またの名を「スランプ脱出計画」)です。
ちょっとタグをいじるのが面倒なので先にブログにメモ。

突発というか、
「書こう」と思って5分も経たずに書き始めたのでクオリティは相変わらず低いです^^;
興味のある方はクリック、どうぞー。

しかしこの100題、全然終わってないなぁ……。

あと個人的に二次創作ってオチとかあまりいらない気がするんですよね。
もちろんあった方がよりクオリティは高いのでしょうが、
なくてもファンならある程度楽しめるというか。なんというか。

……はい、要するに今回のもヤマもオチもイミもないわけです。
所詮突発なんてそんなものです。あいやー。

***

「ねー烈火兄ちゃん、早くーっ!」
「わぁってるっての! 買い物くらいではしゃぐな!」
「烈火兄ちゃんが遅いからだろーっ」
「ぬぁにぃ!?」

 叫べばそれ以上の声量で怒号が返ってくる。
 それが妙におかしくて小金井はケタケタと笑ってみせた。
 その笑いが気に喰わなかったのか、烈火の表情がとたんに崩れる。
 むくれたような、潰れたような、そんな顔。
 こちらに近づいてくればくるほどその顔がはっきりと認識され、小金井は再び噴き出さずにはいられなかった。

「烈火兄ちゃん、ひっでー顔!」
「な、てめっ、小金井!」

 制裁を加えようとばかりに手が伸ばされる。
 しかしもちろんそう簡単に捕まえられるつもりもなく、小金井は「きゃー」とふざけた悲鳴を上げてその場から離れた。
 ――が、とたんにバランスを崩す。

「――れ?」
「ぶわぁーか、何やってんだよカオリン!」

 そう言う烈火はまるで鬼の首を取ったように得意げだ。
 先ほどとは立場が逆転したことにムッとし、小金井は口を尖らせる。

「うるさいなぁ、ちょっと転びそうになっただけじゃん!」
「薫くん、大丈夫?」

 烈火の隣から声をかけてきたのは、心配そうに表情を曇らせてた柳。
 人の不幸を遠慮なしに笑う烈火の隣にいる今の彼女はまるで女神だ。
 小金井はそんなことをしみじみと思いながら柳に泣きついた。

「柳ちゃん、烈火兄ちゃんがいじめるよぅ~」
「ああ!? ちょ、小金井! 姫にベタベタすんな!」
「べー」
「こらぁあ!」

 スーパーの中で繰り広げられる賑やかなやり取りに周りの目が寄ってくる。
 それを認識しながら柳は困ったように苦笑し……ふいに気付いた。

「薫くん、靴紐」
「え?」
「踏んづけちゃったのかな? 切れちゃって、それで転びそうになったんだね」
「あ……」

 見れば、確かにその通り。
 日頃よく履いている靴なため靴紐もだいぶくたびれていたのだろう。

「これで大丈夫……かな?」

 しゃがみ込んだ柳が靴紐を結び合わせる。
 それは手先の不器用な彼女らしくどこか歪ではあったが――それでも何だか嬉しくて、小金井は笑顔で彼女に飛びついた。

「柳ちゃん、ありがとっ!」
「こら、小金井! 離れろ!」
「やだよー!」


* * *



「あ」

 家に帰る途中でふいに違和感を感じ、小金井は歩みを止めた。抱えていた荷物を下ろし、自身の足元を見下ろす。
 そこには予想したままの光景があり、小金井はわずかに顔をしかめた。

「……あちゃー」

 鼻緒が切れている。これでは歩きにくいことこの上ない。

「どうした」

 先を歩いていた青年――紅麗がこちらの異変に気付き、不思議そうに振り返った。小金井は緩く苦笑する。

「んー。鼻緒、切れちゃった」

 こんなところでツイてないね、と頬を掻けば、紅麗もまた小さく笑う。
 それからこちらに歩み寄り、彼はふいにしゃがみ込んだ。

「紅麗?」
「――応急処置だ」

 不思議がって覗き込めば、切れたはずの鼻緒は軽く繋ぎ合わされている。
 家まではもうそこまで遠くない、恐らくそれまではもつだろう。

「行くぞ」
「……うんっ!」

 改めて荷物を持ち彼の背中を追う。

「あまりはしゃぐな。また切れるぞ」
「そうしたら、また直してくれるよね?」
「……さあな」
「あ、ひどっ。紅麗のケチ!」

 文句を言いながらも込み上げてくる笑いが止まらない。


 何度立ち止まりそうになっても。
 何度転びそうになっても。
 助けてくれる手が、繋ぎ合わせてくれる手があるから。


「ねえ紅麗。オレ、歩くの好きだな」
「……そうか」



*******



小金井には、ふいに烈火たちといた過去の記憶を思い出して温かい気持ちになってほしい。
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